縦150cm×横95cm。   かなり大きい作品。
描いたのは中国・敦煌の画家 ≪ 馬 強 ≫氏。  10年位前、日本の顔料を学ぶため敦煌研究所から京都芸術大学・日本画・模写科に留学生として派遣されていた彼と出会って以来の知人です。  お酒の誘惑に弱い(笑) 実に気の良い男です。  よく一緒にやったもんです。
         卒業して研究所に帰り、今は副所長だとか・・エラくなられて、なにより。

 『 裏打ち・表装を教えて下さい、栗山さん。 』
って彼の言葉をきっかけに、当時 中京区のお寺の会館を会場に、週一で夕方から < 表装教室 >?をしていました。  お好きな住職さん方3~4人も一緒でした。
 しっかり教えたはずなのに・・・・・・。

 この度やってきた画も一応裏打ちだけしてあるのですが、 
                   『 おいおい、ダメだ こりゃ~。 』 浮いている箇所はあるし、継ぎ目は太すぎるし・・・ああ、全部剥がしてやり直し!    全て師匠の至らなさ (涙) 。

 画は2枚。 敦煌莫高窟壁画模写で、獅子に乗っておられる 「 文殊菩薩 」と 象に乗っておられる 「 普賢菩薩 」。   お釈迦さまの脇菩薩といえばこのニ菩薩 ( 釈迦三尊 )。
 ちなみに、阿弥陀さまの脇菩薩は 「 勢至菩薩 」と 「 観音菩薩 」 ( 弥陀三尊 )。
それぞれの仏さまを讃える為、知恵と慈悲の象徴として、ニ菩薩がおられます。

 まだまだ途中ですが、こんな感じとなります。

 軸になると横120cm・・大きい。
  材料屋に問い合わせてみました、桐箱いくら位ですか?

    『 ひとつ 4万円くらい。 』        ヒエ ~ !    
 

      『 ハリ―・ポッターの < あばれ柳 > ・・・。』 と思ってしまいましたが、西蓮寺の梅です。    伸び放題の自由な梅です。

  『 あの梅、○○さんに頼んで切ってもらう。 』 ・・・母
  『 は~?  なんで? 切り倒す? 』 ・・・私
  『 側を通ると当たって痛いし、あそこにあっても誰も見んし。 』 ・・・母
  『 ・・誰も・・・・。 』

 以前から剪定してくれと頼まれていたのを ほっといた私が悪いんでしょうが。
まさかそこまで思いつめていたとは・・。
 しかし、≪ 誰も見ない ≫ で切り倒されるなんて、あってはならない事。 ここまで大きくなるには大変な時間が・・。  色んな事があったことでしょう。

 26日、京都に出る前にがんばって、刈り込んでみました。  遅ればせながら。
『 この梅の木がここに無くなると、訪ねてきた鶯になんと説明しましょう。 』
 という歌を詠んで、梅を護ったひとの話を聞いた事があります。 ( 紀貫之の娘でした?ちがいました? )

 切った中からのひとつを玄関に飾ってみました。  中々 気に入ってるるんですが。
 果たして、一週間後に帰った時に< 梅 >の木は無事立っているでしょうか。

  どなたか歌を詠んで老母に届けてやって下さいませんか?

  20数年、表具をしてきて、やった事のない仕事はあります。 勿論ですが。

 不思議なものでこのところ重なってやって来たのが ≪ 野点傘 ≫ の修複。
広げると2メートルはある朱色のあれです。 飾り糸の美しい立派なもの。
ひとつは全面修複。 飾り糸を全て外し、骨を開き新しい和紙を張り込み、油を塗り飾り糸を編み込み・・・。  知識も経験もないので、わたしひとりで出来るはずもなく、助っ人を頼み蘇りました。
 実にいい勉強になりました。

 そして、なぜか又やって来ました。 今度は大掛かりにはせず、部分修複との事で。
破れた箇所を目立たぬ様に直し、折れた骨部分を直すというもの。 破れているでしょ?  これを
 なんとか・・なんとか・・目立たぬように・・。
                    こんな感じでご勘弁を。   折れた骨も 金具で補強してこんな感じに。 

 仏前結婚式に使われるということです。  あそこですね、あそこ。  あそこで使われるんですから少々の無理をしてでも・・・・。    
                       させて頂きました。 
                             ご用命、ありがとうございました!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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