またまた長らくご無沙汰いたしてしまいました、ここに於いて。
4月、例年通り8日に永代経法要を勤めさせて頂きました。ご講師は2年ぶりに広島・永光寺の永光聖法師にご出講いただきました。
いつもながらに、柔らかくゆったりとしたお話ぶり。お声がまた良いので短い詩を読まれると独特の空気が生まれます。おそらく他の方が同じ詩を読まれても思い浮かぶ事は全く違うでありましょう。 一日お話を聴聞する時間は、その離された内容のみならず多くの出来事やお話を今一度思い起こさせて頂いたことでございます。
この永代経に間に合うようにと手くばりいたしておりましたが、ギリギリ間に合いました。庫裏でのお斎用の椅子テーブルセット、30人用。
座布団に座って頂いてのお昼食でありましたが、年々足に難儀をされるお方が増えて来て何とか楽にして頂ける椅子とテーブルを揃えたいと思っておりました。いささか費用がかかるものでジワリジワリと先送りになっておりましたが、こころあるお方々の永代経懇志を基金として揃える事が出来ました。
座敷に入られて「お~!」という皆さまのオドロキと喜びのお声。嬉しいお声です。
台所もこころなしか華やいでいるような。
さて、5月21日は降誕会。
午前はお勤めと法話ご聴聞、午後の半分は例年通り「お祝いお楽しみ会」を。さて今年は何をしようかと以前より思案を重ね、「ペットボトルボーリング大会」。
前もって百均で購入しておいたのは、「ビニールボール」「射的ライフル」カラフルな「マスキングテープ」「大きめサイコロ」、そして景品は本願寺前にて購入「お香」(京都の叔母よりの手作りアームカバーも多々)。前夜に空きペットボトルをデコレートして、ボールころがしてみたり吸盤飛び出す射的ライフルで撃ってみたり・・。
で。
順番に前に出ていただいてまずはサイコロ、出た目によって挑戦回数決まります。ついでにその目の数ほど住職から質問インタビューあり。「得意料理は何ですか?」「好きな言葉、座右の銘はなんですか?」「帰れるとしたら何歳に帰りたいですか?それはなぜですか?」「食べられるとしたら、最期の晩餐はなにを?」等、簡単な質問ですが みなさんの前に出てマイクを向けられてのインタビューには中々緊張あって面白く味わい深く、実に和やかに笑いに包まれた会となりました。 聞いてみないと知りようの無かった一面をお聞かせ頂き「は~そうですか。」と。お聞きしてみて良かったです、憶えておきますとの秀逸なお答えも。
本堂笑顔にて、聖人のお誕生を喜ぶ一日を頂戴いたしました。 拝
本年度も京都市立芸術大学の日本画模写専攻へ招聘講師としてお招き頂き、作品展に向けての大作の裏打ち表装に。
京都駅すぐ近くへと移転した新しい学舎に足を踏み入れるのは初めてでした。
沢山の棟が並び、先生と外で待ち合わせしていなかったらと迷子になっていた事間違いありません。立派な学舎です。
薄い和紙に何か月もかけて繊細に描かれた大画面、少し霧吹きすると顔料のっている箇所のっていない箇所の違いで伸び方が違って大きく暴れるようにシワシワになります。
学生さんは、そうなったご自分の心血注いだ作品を驚きと不安で見つめておられます。
色々説明しながら一部分を刷毛で伸ばしてみる。 まだ早すぎる。 しばらく時間をおく。
少し刷毛でさばいてみる。 まだまだの様子。 ほんの少し霧吹きしてみる。 刷毛でさばいてみる。 まだまだ早い・・・・この連続です。
二時間以上格闘して何とか次の段階、いよいよ裏打ちに入ります。この間、学生さんは裏打ち糊の準備、その前にもちろん裏打ち紙の準備。
表具師になるための学びではありませんが、和紙・水分・糊・顔料を熟知していなければならないこの専攻の学生にとってはとてもとても大事な学びだと思います。表具師にすべてやってもらうという選択肢もあるのでしょうが、色んな話を聞きながら出来るところを自分でやってみる、という事は宝の時間だと思います。ご自分も学生も忙しいスケジュールをかいくぐってでも、その時間を提供される教授先生に感謝でありましょう。・・今それほど思われていなくても、この先必ず大きな宝であったと気付かれます。
もう何年もこの時期大作の前に呼ばれて出向いておりますが、実はその度「ああ、断ればよかった・・」と思いながら。
それでも毎年終わってみれば、無事の安堵とこの年の学生に出会えた喜びが。
生きていくって事ですね、これ。
その作品たちも並ぶ 《 2023 京都市立芸術大学作品展 》
明日、2月7日から11日まで。一般の方が新しい大学構内に入れる機会でもあります。 入場無料
で。
自宅工房でも修復の仕事やっておりますよ~。
預かって帰ったものをため息ついて見つめ・・・
それでも数か月後にはふつふつと喜びをおぼえみつめながら!
7月7日、夏法座・安居会。
ご参詣の方が200mばかり離れた駐車場から汗をふきふき歩いて頂く事をこころ苦しく思いながら、その上雨であったら・・門をくぐって頂く午前9時位は何とか雨降り待機状態にて安堵。
「安居(あんご)」という意味合いをお話しながら、この山寺にご参集頂いたお馴染みのお顔を見つめながらふと。
私「あれですねえ、みなさん。
ようこそ今日の一日をご一緒させて頂くのですけれども。
午前中に45分のお話を2回、午後に45分のお話を2回の合計4回のお話をジッと座って黙
って聞いておられるのは中々体力いりますよねえ。 元気でないとここに座っておれ
ない。お元気ですねえ。」(笑)
私「西蓮寺では年7回法座を開いていますが、その内2回四月の永代経と10月の報恩講は
ご講師にお話頂きますが あとの5回は住職の私がお話させて頂いてます。」(うなずき)
私「という事は、1日4回45分のお話だから45分の私のお話を1年20回聞いておられる。」
(うなずき)
私「前住・父が亡くなって14年です。今日のこの暑い日にお参り頂いてるお顔は、どうもそ
れ以前からこの本堂でのお座の皆勤賞。(笑)
父が亡くなる前の7年間は父と半分半分お話させて頂いてましたが、その分は考えない
としても14×20の280回の私のお話を聴聞頂いてる事に
なりますねえ。45分のお話を280回!」(ビックリ・うなずき)
私「280回ですよ! もうみなさん、悟りを開かれてるんじゃないですか?
(笑) すみません、冗談ですよ。
いえね、仏教は深遠にして際はないんですが私に力量が無いんで、同じたとえ話の
繰り返しで今日なんかもみなさん前にお話する事なくって (笑) 」
某「しゃ~な~わね(大丈夫)、ご院家さん。
わたしら、何回聞かせてもろうても あっちからこっちへ抜けて残っとらんけえ。」
(堂内・大笑い)
私「あらあら、それは有難い事を。
そういえばある先生が仰ってた。お寺で聞いたものを持って帰るもんじゃないって。
知識や有難い話を持って帰るんじゃなくて。 自分の中のどうにもならないものを
置いて帰るんだって。」(みなさま、しばし思案)
私「ま、出来たらお布施も置いて帰ってもらえって。」(堂内、大笑)
さてさて。 お話を続けます。
仏法を喜ぶ一日をみなさまとご一緒させて頂きました。お帰りの午後4時前はこらえきれず雨。傘さして門にて一礼してお帰りの姿。
ありがとうございました。 合掌 拝
西蓮寺十七代住職釈知浩 古書画保存修復師
山に囲まれ狸がお参り・・・
そこにあなたも仲間入り・・・
ようこそ ようこそ。
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