≪ 島根県人会 ・ 昭和35年6月18日 ≫。  なんと53年前の寄せ書き!

 故郷を離れて京都・龍谷大学で学んでいた真宗の寺院子弟の会だったそうです。
長年大事に持っておられたのは、京都在住の山形県出身のお方。    出身県は違ってもこのメンバーの方々と仲が良く、『 しょっちゅう一緒にツルンデいた。 』 と。

 もうお亡くなりの先生方も・・・高橋先生、、礼光寺の前住職、、。
   現在ご活躍中の先生方のお名前も沢山。  一番小さな字で遠慮がちに < 一回生 月洞○○ > とあるのは、益田組長 ( くみちょう ではありません。 そちょう と読みます。 )!

 ≪ 小欲知足 ≫ ≪ 非僧非俗 ≫ ≪ 唯識 ≫ ≪ 作礼而去 ≫・・・。
名前と共にひと言ずつ添えてあります。   仏法を学ぶ熱き思いが伝わります。

 『 わたしが持っているより、島根の栗山君が持っていた方がいいから、あげよう。 』
          
   ・・・え~と。    大事にいたしますが・・『 栗山よりウチにあった方がいい! 栗山より大事にする! 』  と言われるお方。  どうぞ、ご連絡ください。 ご相談いたします。

 春・彼岸。    今日20日、彼岸会法座をお勤めいたしました。
黄砂やら何やら薄煙る中、沢山のご参詣を頂きました。 まだストーブの暖がいる本堂、穏やかな法縁の一日でした。 18日の午後、掃除する気満々で帰山してみると、すでに午前中のうちに渡辺総代ご夫婦が本堂・庫裡・縁側の掃除に来て頂いてありました。  それはそれは綺麗にして頂いてあり驚きと感謝です。
            わたしを助けて下さるおこころ・・・痛み入ります。

 はじめて来て下さったお母さんとお子さん。  見れば、アニメ 『 ワンピース 』のカバン。
『 好きなん? 』  『 うん。 』   『 よ~し、それじゃあ チョッと待っててな。 』

 チョッパーのキーホルダーがひとつあったのを 思い出したもので。
       『 ほい。 ごほうびプレゼント。 』    
   『 まあ。 ほら。 何て言うの? 』 お母さん
        『 ありがとう。 』 

 お礼の気持ちを持つように、お礼の言葉を言えるように、お母さんの願いがかけられてあります。 また来てくれくれたらうれしいな。  

  美しい日本画です。 裏面に ≪ 仏陀伽耶仏足石 ≫ と画題が貼ってあります。
 今のように仏像・絵像を礼拝対象とされ始めたのは、お釈迦さまが入滅されて500年後( AC1~2 )位から。  それまでは、仏塔・法輪(宝輪)・法座(宝座) そしてお釈迦さまの足跡を石に彫ってあらわした仏足石(仏足跡)を礼拝し、仏法の尊さに頭を下げておられたとされています。

 足跡には色んな文様が描かれてあります。 指の渦巻き=煩悩を焼き尽くす太陽を ・一頭三匹の魚=昼夜眠らない魚で絶えまない精進を ・中心の千輻輪相=仏法が太陽のようにくまなく世を照らし私たち衆生を苦しみから救う事を ・下の輪=法輪をあらわし仏法僧の三法を ・右の葉=悟りをひらかれた聖なる樹、菩提樹を ・左の法螺貝=仏法が世の隅々まで響き渡る事を・・・それぞれ表わしてあると聞いています。    石によりかなり描かれ方はちがっていますが・・。

 この額装の画、何年も白木の縁を打ちつけただけであったのですが、このままでは少々< もったいない >との事で。      この度・・・・立派になられました!
                     木目に銀箔縁、裂地も私の大好きな< 青貝裂 >( 銀箔を青くなるまで焼いて箔押しして織りこんだ裂地 )!
 う~ん・・しぶい。

        作業しながら、娘が小さかった頃の昔話を思い出しました。
20年位前、墨でとった仏足石の拓本を軸装していた時。

  『 おとうさん、これなんの絵? 』
  『 これか? お釈迦さまの足跡や。 』
  『 ふ~ん・・・おしゃかさまって おおきい足やったんやなあ。 』
  『 そおやなあ。 』 (微笑 )
  『 なんか、いっぱい 色んなもん ふんだはるなあ。 』
               『 ホ・・ホンマやなあ。 』 ( ひとり爆笑! )

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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