≪ 仏足石 ≫。

  美しい日本画です。 裏面に ≪ 仏陀伽耶仏足石 ≫ と画題が貼ってあります。
 今のように仏像・絵像を礼拝対象とされ始めたのは、お釈迦さまが入滅されて500年後( AC1~2 )位から。  それまでは、仏塔・法輪(宝輪)・法座(宝座) そしてお釈迦さまの足跡を石に彫ってあらわした仏足石(仏足跡)を礼拝し、仏法の尊さに頭を下げておられたとされています。

 足跡には色んな文様が描かれてあります。 指の渦巻き=煩悩を焼き尽くす太陽を ・一頭三匹の魚=昼夜眠らない魚で絶えまない精進を ・中心の千輻輪相=仏法が太陽のようにくまなく世を照らし私たち衆生を苦しみから救う事を ・下の輪=法輪をあらわし仏法僧の三法を ・右の葉=悟りをひらかれた聖なる樹、菩提樹を ・左の法螺貝=仏法が世の隅々まで響き渡る事を・・・それぞれ表わしてあると聞いています。    石によりかなり描かれ方はちがっていますが・・。

 この額装の画、何年も白木の縁を打ちつけただけであったのですが、このままでは少々< もったいない >との事で。      この度・・・・立派になられました!
                     木目に銀箔縁、裂地も私の大好きな< 青貝裂 >( 銀箔を青くなるまで焼いて箔押しして織りこんだ裂地 )!
 う~ん・・しぶい。

        作業しながら、娘が小さかった頃の昔話を思い出しました。
20年位前、墨でとった仏足石の拓本を軸装していた時。

  『 おとうさん、これなんの絵? 』
  『 これか? お釈迦さまの足跡や。 』
  『 ふ~ん・・・おしゃかさまって おおきい足やったんやなあ。 』
  『 そおやなあ。 』 (微笑 )
  『 なんか、いっぱい 色んなもん ふんだはるなあ。 』
               『 ホ・・ホンマやなあ。 』 ( ひとり爆笑! )

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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