11月8日、益田・浄本寺さま 報恩講のご縁。 
あまり多くを語られないご住職が往生されて、一か月。 四十九日にもならない内ですが、例年の日にち通りにお勤めでした。  沢山の方のご参詣・熱心なご聴聞。 わたしもそうですが、言葉でなく お姿に深く教えられた方々であろうと感じつつ、お話をご一緒させて頂きました。   いいご縁の一日であったなあ・・と思いつつお寺に帰ってきました。

帰って玄関をあけると、どこから入ったのか 《 野良猫 》 が 座敷から飛び出てきました。

この猫 「 前科 」  が随分ありまして、忍び込んで魚どころかパンまで食べる。 しかも 綺麗に食べるでもなくあっちこっちに口をつけ食い散らかす。 本堂の正面、なんと座敷の座布団の上にも 「 ウンチ 」をする。 泥だらけにして礼も言わずに出て行く・・・。      その姿が突然目の前に ニヤリと笑って?現れた。  わたしはどうしたか。

一番ちかくにあったスリッパを握って 『 うおら~! 』 と叫びながら全力投球!
それまでシズシズ と歩いていたのが、衣・着物を振り乱してスリッパ片手に猫めがけて全力疾走!
『 ダ~! 』  だか 『 ヌオラ~!』 だか憶えていませんが 大声でさけびながら 次の一投!・・・

つい30分前まで 『 庭を掘り返すイノシシも草花も同じいのちでありまして・・ 』  などといかにも優しい顔で喋っていたお坊さんが、です。    ・・・・・なんのことやら・・。 

さるべき業縁もよおさばいかなるふるまいおもすべし・・・・
まったく、お恥ずかしい 限り。   縁にふれていないものが怒っていなくてエラそうに喋っていただけです。

もう、十分 反省したとお思いでしょうか?
さっき、また 走ってきました。  追いかけてしまいました。  やれやれ・・おはずかしい。   これも 言うだけ。

11月3日の朝からお昼までは、三隅・常福寺さま。 その夜から4日のお昼までは益田・明顕寺さまの報恩講にお参りし内陣出勤。

今日、5日は弥栄・勝龍寺さまの報恩講へ布教のご縁を頂き参上。

それぞれのお寺に手間暇惜しまぬ精進のお料理に 『 うちは これ!』 という特徴があり、『 これは 何ですか?美味しいですねえ。 』 と。       これも報恩講の楽しみの 大きなひとつ。

今日もその写真でも撮りたいところでしたが、我が寺ではないので ハシタナイ事と我慢しておきました。
みなさまに ウラヤミとシットの煩悩を燃え上がらせてはいけませんし。 ・・ね。

初めて寄せて頂いたお寺でしたが、本堂ご聴聞の空気がとても和やかなのは ご住職とお母上坊守さま、周布・専称寺坊守さま、大派 ・浄本寺ご住職が 最初から最後までにこやかに座りつづける事で、みなさんを 引っぱって頂いていたからに違いないと思いながらお寺をあとに致しました。

ご勝縁、誠に 有難うございました。   美味しそうな地元のお土産も!

29日、当山報恩講勤修。
快晴、朝は本堂にストーブをつけましたが、日中は次第に暖かくなってくれました。 

早朝より総代さん、お手伝いのご婦人方でいつになく賑やかな境内。

お勤め始まりの9時 30分前には、本堂内もにこやかな挨拶の言葉が溢れます。
遠近からの・・というか遠遠からのご参詣、誠に有難うございました。

ご講師の石橋泰範先生、『 80歳をこえたので 今年を最期のご縁に 』 とのお申し出があった時
『 さびしいですが・・承知いたしました。   ・・・・では、先生のお話の中の 《 一番いい 》 のをひとつお願いします。 』  と笑いながらに言うと、 『 ああ、わかった わかった。 』 と笑っておられました。

ご法話に< いい > も < わるい >  も、一番も二番もないのは互いによくよく存じての上に交わす言葉。



さて一日で40分のお話を4回。
本願十八願文の単語文言を黒板に書きながら、終始そのことのみ。

『 最近のお話は笑いを交えてわかりやすいのが多いそうですなあ。
あんたの話は難しいから、もう少し聞き易い話をしてくれ・・・言われるんじゃが。
わたしには、出来んのですよ。  すんませんのお。 』 

有難うございました。     《 一番いい 》 の、確かに頂戴いたしました。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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