16日、西蓮寺・御正忌法座。 

雪霜こそ見えないものの凛と冷えた朝。  石油ストーブ3台・電気ストーブ1台・火鉢2つで早い時間から暖めたつもりの本堂にても 『 寒い、寒い。 』 の声。     膝かけ・綿入れも動員。   
昔から聖人御命日は耳がちぎれるほどの寒さ・・といった印象がありますから、それらしく感じながらのわたくしではありました。

お昼は温かな 《 けんちん汁 》  をご一緒し、今年もいつもと同じ様に迎えられた日を喜びました。

ご参詣ご聴聞、誠に有難うございました。

○ 《 火宅無常の世界 煩悩具足の凡夫、よろずの事 みなもって そらごと・たわごと、< まこと >あること無きに
ただ 念仏のみぞ、< まこと >にておわします。 》 と。

○ 世の中の事をすべて「 そらごと・たわごと 」と否定して、念仏のみして世を捨ててあきらめて生きましょう・・・という事ではありません。      かけがえのない毎日のひとつひとつを< 邪見 >によって「 そらごと・たわごと 」にしてしまっている< 心弱き私 >がいるという事。     そのひとつひとつを真に意味のある< 大事なひとつ >にかえなす力が如来の願いを聞く中にある、これのみにしか無い。      その願いのすべてが込められいたってあるのが念仏である。    <苦>を<苦>のままにしない、老苦も 病苦も 愛別離苦も 求不得苦も 決して< 空しく >過ごさせないはたらきが念仏申す中にある、だからこそ 「 念仏のみぞまことにておわします 」と示されてあるのでございます。  と。  ・・・本堂でのこの度のご縁でございます。

13日、岡見・尊光寺さま 御正忌法要のご縁。
寒い日でしたが、本堂内をとても暖かくして 沢山の参拝・ご聴聞の方々を迎えておられました。
お昼には 皆さまに < あずき粥 > で、これまた温かく。
夕方、終えて控え間にいたところへ お顔を出しお声をかけて下さる方が何人も。

有り難き一日、ありがとうございました。

そしていよいよ明日16日、西蓮寺にて勤修。
紫の手をこすりこすり 掃除・お荘厳 。  
老母坊守がついたお供えのお餅、大きさ・厚さが個性的で組み合わせにひとしきり。
ま、わたしが作ればもっと大変な事になっている事でしょう。 経験の重みはありますねえ。
『 みんなちがって みんないい・・。 by 金子みすず。 』   ・・・言い聞かせながら 御内陣へ持ち上がります。
華を立てに来て下さったお方、野菜を持って来て下さったお方、明日は車でお参りの方をお連れすると連絡くださったお方、ちょっとお手伝いに来て見ましたと寄ってくださったお方・・。 紫の手もあたたまります。

11日、益田・鎌手の東福寺さま 御正忌法座のご縁。
前日の夕方走った浜田道は雪が多かったですが、ここ海の近くはほとんど雪もなく。

和やかに法縁の一日を頂きました。  何より、小さい時から友人である同い年の彼のお寺。
お互い僧侶以外に仕事をもち ふんばっている者同志、本堂でのお話の合間に 立ててくれる抹茶をよばれながら 久々にゆっくり話が出来た事、あれが一番の一日でしたでしょうか。

忌憚ない感想を語ってくれ、これからの寺院のあり様を語り合い、法の伝え方に対するそれぞれの思いを聞きあい。
『 そうそう、そうだよなあ。 』 と。

ながく教員である彼の経験話には興味深いものが多々。

《 ・・・数年前よりマルくなったなあ、こいつ。  歳とったんだな・・・。 》 
と、わたしが思っていたという事は 彼も思っていたでしょう。

マチガイない。              いい友人です。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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