

葉脈のみにした< 菩提樹の葉 >に描かれた仏画。
菩提樹といえば、お釈迦さまがその樹のもとに座し お悟りをひらかれたという、仏教では特別な樹。 その樹の実を繋いで念珠にしたものを よく目にします。 これはインドで描かれたものだそうで、「 掛け軸に 」というご依頼です。額装にしてあるものは見かける事はありますが、掛け軸にと・・・・・。
実は以前にも同じ方から同じご依頼があって、何パターンか軸装して納めた事があるのですが、気に入って 頂いていたんですね・・・というか、まだ持っておられたんですね ( 笑 )。
そしてマタマタ実はですが。 これが大変面倒で難儀な事がありまして・・・・。
掛け軸は当然 巻き下ろしが出来ないといけませんが、葉の <背骨 > のところが太すぎて割れ・折れしてしまい、しなやかに曲がり伸びしないのであります。 つまり、掛け軸に表装するのは無理、ですから アクリル・ガラスで押さえて額装にしてあるものばかりという訳です。
しかし。 それでも 『 よ~し、何とかしてやろうじゃないか! 』 と立ちあがるのが栗山表具。 後ろから< 背骨 >を少しずつ少しずつ削り取り < 骨抜き >? にしていきます。 決して決して表に刃がいかないように・・・手の震えを止め、息を止め・・。
そして、どこの厚みも同じにしてから和紙で 裏打ちし、数日乾燥させてから、これを本紙として掛け軸への表装が始まります。 こんな感じの掛け軸になります。 ジャジャ~ン!
はたしてこの努力、知って頂いているでしょうか・・・・・・・・。 いや、努力を振り回すのは恥ずかしい事でした。 いいのが出来た、と喜んで頂けたら良いだけでした。 ・・・ おはずかしい。
18・19の両日、益田市・明顕寺さま 御正忌法要のご縁。
わたしが知る限りでも 祖父・父の代から深いご縁のお寺、だからかどうか 実に居心地良く。 ( 院内の皆さんがそうして下さっているからに他なりません。 )
炬燵っていいですねえ・・何とも・・・。
18日の夜は雪が降り、深夜中 屋根からの < 雪ずり > の音。 大男が歩き回っているかと思う様に ボタッ・ドタッ・ドタドタ、と。
これは二日目の今日は雪でもあるし、お参りは少ないかなあ・・・と思いながら ( いらない心配ですが ) 本堂に出てみると、これは これは・・・。 遠く広島・瀬戸内から、ご住職法友ご夫婦も。
正しく わたし自身の学びであるご縁でございました。 ありがとうございました。