350年程前、本願寺から受けて お寺の内陣に掛け続けられてあった 《 七高僧 》軸。
この度修復にあたり、『 あまりに画が荒れているので このままでは申し訳ない。せめてお顔だけでも・・。。 』とのご相談で、補彩して頂く事になりました。

どなたにお願いしようかと思案しましたが、お忙しくて断られるのを覚悟して、文化財保存修復にも深く携わってこられた《 松浦直子 》( 現・京都精華大学日本画教授 )女史にお願いしたところ、快く受けて頂けました。

資料をお渡しして、どこまで筆を入れて頂くかご相談し・・・・・・・はたして、帰って来られました。 自宅工房までご持参頂きました。       あれほど傷んでおられたお顔、どうなっておられるか・・・・・?

お顔がほとんど剥落していた法然上人が・・・。 こう戻って来られました。・・・おお、上人・・。

善導大師も蘇られました。 

龍樹菩薩など大変な事になっておられました。 それがなんと、  なんと・・・なんと! 涙が出てきそうです。

衣体・衣装まで直し始めたらきりがないですし( 費用も際限なくかかる事ですし ) この度は、お顔と手・胸などの肌部分のみの補彩修復をお願い致しました。 ( それでも、あちこち黙って筆を入れて頂いていますねえ。 すみません。  )      さすがです!  見事です!  プロフェッショナルに誉め言葉は失礼なのでしょうが、見事です。  線の繊細さ、色合いの上品さ・・・。  真新しくするのでなく、年代の重みをもたせ 調和させ・・。        う~ん・・見つめ続けてしまいます。    きっと、大喜びして頂けます。

さて、ここからは又 わたしの仕事です。  

仕事する手も、こころも 踊ります。   ありがとうございました!

8日、益田・専教寺 ( 真宗大谷派 )。
26年前 50過ぎで還浄した叔父、そして今年 97歳で還浄された義母さまの法事。

導師部屋 床の間には、曽我量深師の書が掛けられてありました。

《 自然 》 と書いて( じねん )と、仏教読みする素敵な名前の叔父。
色々な職業につき、身体も壊し、苦労を重ねたとの話を父から聞いておりました。

晩年は、兄である私の父を誘い車に乗せ、松江や広島の勉強会に連れて行ってくれていました。 その事を喜んで 話す父の姿を思い出します。           その、近くの寺院に養子に入り住職となっていた弟が亡くなった後、『 朝、本堂でお勤めしていても、何もかもが 空しく思えてどうしようもなかった・・・。 』 と言っていました。
近くに居てくれて自分の為に心強い というより、何れ 帰ってくるであろう私の力になってくれると思ってくれていた様子。 その分 余計に力を落としていたのかと・・・・。


そして、何といっても この自然叔父。  とんでもなく お酒好きで、しかも とんでもなく 強かった!
数々の伝説が残っています。    あの頃は20過ぎの私・・・今でしたら少しはお相手出来そうに思いますが、残念です。         心意気だけは後継ぎさせてもらいます!           勉学も・・・。

3日、姫路・兵庫県立武道館。
《 全日本テコンドー選手権大会 》 ( 17回 アジア競技大会<2014・韓国仁川>代表選手選考評価会 )。

出場者は、今年度の西日本大会・東日本大会・学生選手権、そして前年度・前々年度の全国大会 各大会の上位3位が集う大会。   西日本大会優勝の息子の応援にと。

全精力をつぎ込んでいた様に見受ける彼の大事な日でありますので 朝一番から陣取るつもりでしたが 、大阪での急なお参り事を勤め終え 駆け付けた2時前には試合は進み、ちょうど準決勝の試合の最中でした。

どうなっているか全く分からず車を走らせた訳ですが、まあ、勝ち進んでいてくれて良かったです。 敗退していたら一試合も目にする事なく 『 残念だったな 』 と言う為だけに往復200kmですから。   ・・・まあ、それも いいですが。             広い会場に入り、何処にいるかと アリーナ・コートを何となく見渡していて 『 ん?』

『 んん!? もしや・・。』      親子とはエライもんです。  遠くで試合している小さな姿、ヘッドギアと皆同じ道着をしている中、その動きで息子を見つけてしまいました。   島を埋める何万羽の中、はるか上空から我が子を見つけて餌を運ぶ鳥の話を思い出してしまいました。   ・・・・あるんでしょうねえ。 

その試合には勝利しましたが、決勝戦 残念ながら敗退。 準優勝となりました。
優勝者・山下大貴 さん、27歳・社会人・オリンピック強化選手・過去優勝経験も海外大会出場経験も豊富にて、後援会の大応援団。  試合内容はもちろん たたずまいに風格を感ずる方。 
『 試合が始まり向き合うと、威圧感がスゴイ。 大きく見えた。 』 ・・とは、翌日聞いた息子の弁。

いい経験をさせてもらった事です。 果敢に挑む姿も十分見せてもらいました。
来年の出場権利を得たわけですが、今年から社会人の彼、 はたして 続けるんでしょうか。

遠くから親子で応援に来てくれた義兄さんと玲子、ありがとうございました。

そして、後援会はなくとも、何より彼には 応援に駆け付けて頂いていた先輩や多くの仲間。 試合前も敗戦後も彼を取り囲んでくれていた姿を 嬉しく・有り難く・羨ましく 見つつひと足先に帰りました。

みなみなさま、   ありがとうございました!

 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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