予定には無かったのですが、朝刊の記事を見て急遽「 東寺 」( 真言宗・教王護国寺 )へ。
《 漫画家による 仏の世界展 》  

50人の漫画家が描く独自のタッチの仏の世界・・・知っている方々の画が大きなお堂の中に。
本宮ひろ志・池上遼一・江口寿史・里中満智子・ジョージ秋山・ビッグ錠・ちばてつや・植田まさし・いがらしゆみこ・小島功・寺沢武一・さいとう たかを・・・・・・・・今まで読んだそれぞれの作品が頭に蘇りながら、『 いったい、この方は仏をどう描かれるんだろう? 』・・・・と。      でしょ?

実に興味深い企画展です。 コメントが添えられてあるのを丁寧に読みながら、なるほど・・と思わされる画の数々。
図録を求めましたので紹介したいところですが、無断転載禁止!とあるので 口惜しいですが・・。

< ほんとうの仏のすがた > はこうである。 と言うものは無いという事は、以前から何度もここで書いていますが、正にその通り。   今回、ゴリラの菩薩も 掃除道具を持った方も 悩ましいお姿もありますが、どれも真剣に思いを巡らせて描かれたものばかり。

一番好きなのですか?   そうですねえ・・ 『 20世紀少年 』の作家・浦沢直樹氏の 《 わらし地蔵 》ですかねえ。 コメント含みで。             コメントでは、ウノ カマキリ氏の 《 あやとり観音 》の前で随分思いを巡らせて頂きました。    ( 余談 ; 井上君の画をここに並べたかったですよ。  井上君。 )

4月6日まで開催、その後は東京から各地へ巡回とのことです。 

図録、西蓮寺本堂に置いておきます。   明日、忘れず 持ち帰ります。

高校野球、龍谷大平安高校が決勝進出。
父がいたら、さぞかし喜んでいたでしょう。  ・・・さぞかし。
平安中学出身( 現平安高校 ) の父は生前中、甲子園出場の度やってくる寄付金依頼に応えていたらしく、御礼の記念品《 HEIAN 》の手ぬぐい・団扇・扇子等を家の中でよく見かけていました。
大判のタオルが来た時など 『 お金も無いのに、いったい幾ら寄付したの! 』 と母に叱られていましたっけ。
テレビでの試合には手を叩いて応援し、喜んでいました。 

その平安中学時代の同級生のご家族が明後日、西蓮寺を訪ねて来られるとの連絡を受けました。
故・盧盛源氏の奥様と息子さんとお孫さん。 

京都の平安中学の寮 に入っていた父、夏休みになると皆が帰省していく中、ひとり帰らず寮に残るという青年・盧盛源くん。 聞けば、故郷は台湾なので帰らない・・・帰れないと。 ( 戦中か戦後か定かでありませんが )

可哀想に思って、 『 島根のうちに一緒に帰るか? 』  と、声をかけた父。

後々、兄弟会での思い出話に、叔母たちが言っていました 『 家族・兄弟が多いし貧乏で食べるものも少ないのに、友達連れて帰ってくるからビックリした。 』  と。     ・・・『 そう言うけどなあ、たったひとりで残るんぞ。 情けなさそうで、可哀想で見ておれんかった。 』 と、父。

それから 、日台間で事業をされるようになった氏は 『 あの時の事が忘れられない。 』 と毎年年末にびっくりするくらいの贈り物を届け続けて下さっていました。 晩年には父や叔父叔母を台湾まで招待して下さったとも聞いています。

『 昔々のあれくらいの事でなあ・・・恩深い男だ・・。』 と言っていた父も亡くなり、氏もお亡くなりになりました。

氏は、『 お互いの息子たちを 是非、会わせておきたいものだ。 』 と仰っていたそうです。
だからであるかどうか定かではありませんが、明後日初めてお目にかかります。     山寺へおいで頂く事、嬉しく思います。      一晩泊って頂けるそうです。
わたしにとっても、父が随分喜ばせて頂いたご家族です。  ご接待する事を楽しみに 京都から車を走らせます。

坊主の少々の手料理もガンバってみましょう!  料理、お助け下さる方もあるそうですし・・。
お酒、呑める方々だったらいいなあ・・・。

《 縁ありて 花ひらき、 恩ありて 実を結ぶ 》

3月21日・西蓮寺 彼岸会法座。
暑くもなく寒くもなく 、経典に説かれてある浄土( 彼の岸 )の如き頃・・・とは言いながら、早朝には霰に驚かされる寒い日となりました。    山の上の方はなおの事、浜田道・旭~千代田間は冬用タイヤ規制が。 ほとんどの方が「 もう、大丈夫だろう 」とノーマルタイヤに履き替えられていたはず。  折角の連休休日に困られた方が多いであろうと。

その寒い日の寒い山寺に朝からお参り頂き、共々に仏法の一日を頂きました。  ストーブに火鉢。 温かい火がご馳走です。   この度用意した、ちょっとショッキングな 『 九相図 』 の画資料をお配りして、お話をはじめます。

『 < 生きている > と< 生きていく >はちがう 』 との言葉に思う事を お話させていただきました。 
さてさて、わたくし自身。 まだまだ学ばせて頂かなくてはいけない、と思わせて頂いた春・彼岸。
で、ありました。 

ご参詣、誠にありがとうございました。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

Copyright © 2010 Sairen-Ji Temple. All rights reserved.