
高僧方、帰って来られる。
350年程前、本願寺から受けて お寺の内陣に掛け続けられてあった 《 七高僧 》軸。
この度修復にあたり、『 あまりに画が荒れているので このままでは申し訳ない。せめてお顔だけでも・・。。 』とのご相談で、補彩して頂く事になりました。
どなたにお願いしようかと思案しましたが、お忙しくて断られるのを覚悟して、文化財保存修復にも深く携わってこられた《 松浦直子 》( 現・京都精華大学日本画教授 )女史にお願いしたところ、快く受けて頂けました。
資料をお渡しして、どこまで筆を入れて頂くかご相談し・・・・・・・はたして、帰って来られました。 自宅工房までご持参頂きました。 あれほど傷んでおられたお顔、どうなっておられるか・・・・・?
お顔がほとんど剥落していた法然上人が・・・。
こう戻って来られました。・・・おお、上人・・。
善導大師も蘇られました。
龍樹菩薩など大変な事になっておられました。 それがなんと、
なんと・・・なんと! 涙が出てきそうです。
衣体・衣装まで直し始めたらきりがないですし( 費用も際限なくかかる事ですし ) この度は、お顔と手・胸などの肌部分のみの補彩修復をお願い致しました。 ( それでも、あちこち黙って筆を入れて頂いていますねえ。 すみません。 ) さすがです! 見事です! プロフェッショナルに誉め言葉は失礼なのでしょうが、見事です。 線の繊細さ、色合いの上品さ・・・。 真新しくするのでなく、年代の重みをもたせ 調和させ・・。 う~ん・・見つめ続けてしまいます。 きっと、大喜びして頂けます。
さて、ここからは又 わたしの仕事です。
仕事する手も、こころも 踊ります。 ありがとうございました!