《 一人一光 》。 どなたであれ真摯に丁寧に生きているひとには、誰かに語るべき大事な話( 教え )が必ずひとつはある、と。

先日、『 出産したらしばらく行けなくなるから行っておいた方が良いと言われた。 』 という娘に誘われて久々にラーメン屋なるものに。   どうせなら少々足をのばしてと、京都も北の方 白川通りあたりへ。

『 ここか? これ ラーメン屋か?』   『 地図からするとここしかない・・。』  『 ほんとか?』
看板もない、のれんにも何にも書いてない・・・おや、申し訳程度に小さく 《 一三〇 》 。
《 伊佐夫 》 のはずだが、ロゴがかわったのか。 

ラーメン屋なら 『 へい、らっしゃい! 何名様?! 』 と威勢良く迎えられそうなのに違う。
カウンター10席ばかりの喫茶店の様な明るい店内、 数名の客にラーメンを作っている細身のふつうの家着風の若い店主がチラリとこちらを見て 『 いらっしゃい。 』・・・・消え入りそうな声。      大丈夫か。 

店内には様々な干し魚。   そう、魚貝スープの店。  娘は< 羅臼昆布と帆立  >、わたしは本日のスープ< エソ >を。     かなりの時間待つ。    来ました。    飲みました。 

『 う・・・うまい。 』  顔を見合うふたり。  黙って互いのを貰い合う。    『 う・・・・うまい。 』

随分と研究されたのであろう事が十分うかがえる 。  極々あっさり、実に繊細な上品な味。

静かに次のひとのものを作る髭をたくわえた店主は、どこか修行僧にも見えてくる。  ひたすら道を求め、味を求めて来られたのであろう。   そのため どこか 身体も壊しながら・・( 個人の感想です ) 

少々話しかけてみるが、穏やかに振り向かれるだけでほとんど話されない。
何かスゴイ話、語るべき教えを 持っておられそうなのに・・・それを引き出す器量がこちらに無いのが口惜しい。

仏法は鐘と一緒で、大きく叩けば大きく響く。小さく叩けば小さく響く。     《 問う者 》 が問われる、と。

今度行く機会があるかどうか。  大きく叩いて話を聞きたいひとであった。

4月21・22日 益田・西楽寺さま 永代経法要のご縁。
ご住職は、父の代から西蓮寺へ講師として何度も お出で頂いている川本義昭師。   珈琲がお好きで、朝も間休憩もお昼食後も午後休憩も、おたて頂いた珈琲をふたりして。

それに先だってまず抹茶を点てて頂いた ご門徒のおばあさん、88歳。 おばあさん、とお呼びしていいかどうかと思うほど< シャキッ >としたご婦人。  未だ色々な会のお世話役員を・・・・年取ってから詩吟を習い始めました・・・そうするうち、漢詩に興味が出てきて 五言・七言の詩を作っております ( お見せ頂きました )・・・・午後は別の会合がありまして失礼いたします・・・・。 

何ともお元気、お顔が生き生きと輝いておられます。 
『 20歳の老人もいれば、80歳の青年もいる 』    という言葉を思い出しました。

何でも知っている、興味がない、関係ない、どうでもいい、どうせ・・・としか思えない人はたとえ20歳でも、それは< 老人 >と言う。 80歳であっても、新しく出会う事や人に< こころワクワク >して吸収し続ける人を名付けて< 青年 >と言う。        何歳かという事は 問題ではない、と。

二日間にわたり、ご住職・坊守さまはじめ色々なお方がたとお話させて頂きました。 

沢山のお出遇い、ありがとうございました! 

4月8日・周囲は既に盛りは過ぎて色が変わる中、裏山の西蓮寺桜は満開の日 《 永代経法要 》 勤修。

ご講師は、神戸・光源寺・宮里俊哲師。 師とのお出会いは平成元年、もう25年も前になります。
京都・本願寺・伝道院での< 住職課程 > にて、67日間 寝食を共にして仏法を学び合った仲。 以来、親しく楽しくお付き合い頂き 未だ 時として熱く語り合う法友でもあります。 

久々にゆっくり師のお話を聞かせてもらえる事を楽しみにお迎えいたしました。
前日に浜田駅まで迎えに行き40kmばかりを車で走り、次第に家無き山道をくねくねと・・・。
お寺に着き、裏山続きの庭を眺めながら縁側で番茶を一杯。

『 時間の流れ方が違うなあ。 』   『 もう、気付かれましたか? そうなんですよ。 』
『 あれだなあ・・このバックボーンを見て、栗山くんがどうしてこういう人間になったかが分かったわ。 』 
『 ええ意味で、でしょ? 』      『 そら、そうや。 』

当日、朝から丁寧なお話を頂戴いたしました。 午後最後の席には台所お手伝いの方々も本堂にお座り頂きご一緒に聴聞を。  『 温かいお人柄が伝わる 』  『 わたしたちに解りやすい様にお話して下さる 』 との声が聞こえて参りました。

足・腰・目に難義なものを抱えながらも 早朝からエプロン・包丁持参で台所のお手伝い頂いた方々、 数日前から内陣真鍮仏具お磨き・清掃に来て頂いた方々、野菜を届けて下さった方々、「みなさんの一品に」とお料理物を持って来て下さった方々、 「これはご家族の晩御飯に」と逸品を持参下さった方、奮闘する老母・家内・久々に帰山した息子、花を持って来てソッとアチコチに飾っていて下さった方、 翌日赤穂での布教の為 法要終了後すぐに発たれたご講師、そして本堂にお座り頂き 共々にお勤め・聴聞し如来・諸仏を讃えて下さった< 諸仏 >のみなさま方・・・・・・・

みなみなさまのお蔭さまを持ちまして、法要をお勤めさせて頂いた事でございます。
ありがとうございました!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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