10月8~10日 島根・西蓮寺。
帰り道、『 晩御飯にどうぞ。 』  と頂いた 「 鯵のタタキ 」 「 塩焼き用 鯵 」 「 鮎 」  ( 七輪にてじっくり炭火焼きに・・なんと贅沢な・・。 )

「 サラダ 」 も作って頂いてありました。  そして 「 酢橘 」 。 訪ねて行ったお家、来て下さったお方からも 色々 頂いた3日間。   「 里芋 」 ・ 「 さつま芋 」 ・ 「 栗 」  「 棒ラーメン 」 ・ 「 梅ジャム 」  「 柚子入りトンカツソース 」 ・ 「 ゴーヤ 」  「 大根のまびき菜 」  「 シソの穂のたき物 」  「 ピーマン 」 ・ 「 茗荷の漬物 」 ・ 「 カブ 」 ・・・・・実に実に。

自然のめぐみ・ひとさまのめぐみ、ありがとうございます! 

< 三尊来迎和楽図 > と箱書きされた御軸。
高野山にある国宝< 阿弥陀如来聖聚来迎図 > ( 鎌倉時代 )の部分模写図です。
大変美しい図、京都芸大の日本画保存修復模写の方々が描かれたものを何度か目にした事、表装仕事させていただいた事があります。

どれも大きな画面積、原寸大であるのでしょう、これも縦2m40cm・横1m10cmと 普通の床の間には掛りそうにありません。
かなりの傷みの為、この度修復です。   少々驚いた事が・・。
《 描き表具 》 という言葉をご存知でしょうか? 

廻り を織り上げた裂地で飾るのではなくて、裂地部分も筆で描いたもので飾るというもの。 たとえば、鯉の滝登りの画を 同じ筆致で描いた< 滝 >の画を裏打ちして廻し飾るというもの。    そこまでいかなくても、一文字だけでも筆で描いたものを使うとか。
親鸞聖人 < 鏡の御影 >も、散華された蓮花弁 が描かれた和紙を部分的に使用して軸装されてあったように記憶しています。

この御軸の場合・・。 外側の裂地が実は裂地ではなくて、和紙に裂地風に描かれたものなのです。 ( 赤地の雲文様は裂地です。 あまりヨロシクない・・・失敬 ) 

古裂様に実に細密に描かれてあります。   わざわざ、違う裂地を組み合わせてあるかのように 。  は~~・・ため息で見つめてしまいます。

しかし、惜しい事に何故か ある赤い色だけインク系が使用されていて 裏打ち時に霧吹きで色が散って滲んでいます。
何故だ・・・・・何故なんだ~!   と叫んでしまいます。  この度使用するには、霧吹きして旧裏打ち紙を剥がして新しく裏打ちしなくてはなりません。  そうなると、今以上に滲みが出て目立ってきてしまいます。

残念ながら、ホントに残念ながら・・ご依頼者とご相談のうえ、この度 裂地に替える 事になりました。
強度の事もあり・・・せめて復元織りの良き裂地を。

金襴は使わず時代の重みを感じる ・・・・・  今まで以上に美しい御軸に仕上げます!

 

28日岡山・美作へ。
ご門徒・齊藤冨士子さまの尽七日法要。 享年92歳・・祖父の代から仏法聴聞深く、特に父を大変慕って下さっていたおばさん。
友人・知人にお念仏を 仏法聴聞を勧めておられたお話を、色んな方から聞いておりました。  晩年は美作で暮らしておられましたが、 『 西蓮寺本堂でのご法話、テープで送って貰えませんか・・。 』   とのお声を頂き、父や私のお話をカセットテープに録音して送らせていただいておりました。

ひとつのテープ。 一回聞くだけでなく、何度も何度もお聞きであったと ご家族から伺っておりました。 『 はじめ頃は、ああ また聞いているなあ と思うだけだったんですが、何度も耳にする度 わたしも一緒に座って聞くようになって・・。 』  と、娘さん。
有り難い事です。

思い出話を咲かせつつ、ご法事をご一緒させて頂きました。   『 ご院家さん、わたしも門徒にして下さいね。 』 
もちろんです。    すでに、ずっと同じ道行く ご門徒さまのつもりでした。

終えて一路、鳥取・八頭へ走ります。  表装の相談に立ち寄るお約束をしていたお寺へ。 

はじめて走る< 鳥取道 > 。  作用から鳥取に繋がる高速道、無料なんですね。  秋らしい景色に少々車を止めながら走ります。 

用件はすぐに終わりましたが、ご住職との話が興味深く 2時間以上も居座ってしまいました。
『 泊って呑んで行かれたら・・。』  という、天使のような悪魔のような ご住職と坊守さまのお誘いの言葉。

目を閉じ首を振り、泣きながら京都を目指し走りました。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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