先日、本堂にてご法事が勤まりました。
長らくお寺に親しんで頂いていた三浦幸枝さん、法座の度のお参りはもちろん 台所お手伝い・草むしりにまで足をお運び頂いたおばあさん。 もう7回会法要。 

3人の娘さんを育て上げられ嫁がせ、晩年普段はおひとりで畑仕事にも精出しながら、お子さん・お孫さんとのふれあいを喜んでおられました。 

当日、山口・岡山・東京からお集まり。 お勤めの後、庫裏にてお食事、昔話に花が咲きます。
『 まあ~山奥だったんで、小学校往復17kmあるいたんですよ。 』    え~! わたしで8km・・とんでもない負けっぷり。
『 あんた、いつだったか ランドセル一杯にマツタケ採って帰った事あったよねえ。 』    え~! おそろしい小学生。

その和やかな食事は仕出し屋さんからのお料理ですが、一品だけ手料理の椀物が。
こちらで < つぼ汁 >  とも < おつぼ > ともいう、報恩講・法事に大変よく出る とろみのある汁物。 里芋・こんにゃく・ニンジン・・・。  ( この写真は昨年の西蓮寺報恩講のもの。お膳向かって左奥が おつぼ です。 )

『 お母さんが法事の度に作ってくれてたこれだけは、わたしが作ってお出ししたくて。 』  と、大きな鍋いっぱいに作って早朝の山口から持参されていました。          そうでした。  3回会の時も持参されていましたねえ。     

『 母のように美味しくはできませんが・・。 』  と仰りながら。   いやいや、込められた思いと共に とてもとても美味しかったですよ。

賑やかに記念撮影をして、お寺をあとにし、住んでおられたお家のすぐそばのお墓参りに皆さんで向われました 。 

11月4日、益田市大草・明顕寺さま 『 宗祖親鸞聖人750回遠忌法要 』。
前日当日共に快晴、爽やかな日。 沢山の方のご参拝、賑々しくお勤まりでありました。 

随分以前から、法要の係 ( お手伝い )  を仰せつかっておりましたので、当日までに何度か打ち合わせに伺っておりました。 信頼して下さってあるという光栄な事であります。
10人の法中、6人の奏楽僧侶の控え間・動線等。 そして何より法要勤行の差定 ( 次第 )  打ち合わせ。
ほとんどご当山のご意向とはいえ、係の者として十分に把握しておき 何かの時には機に応じて対処せねば・・・と心しておりました。

お勤め開始15分前位に出勤衣体を着けられた僧侶の方々、並びに笛・鼓を奏す奏楽員の方々を前に 『 差定説明 』 ( どこで音を入れていただくか、どのタイミングで動いていただくか、誰がどうしていただくか、そして座順にいたるまで・・ ) なる正式手順を行うのですが、これが中々に緊迫した空気であります。 むろん皆さま真剣に聞いておられますし、分かりにくい事・言い間違いあらば スルドイお声が帰ってきます。 楽の事を殆ど知らない未熟者が、専門家を前に・・・。   夢にも出てきました ( 苦笑 )

荘厳が整った事を確認し、差定説明も心優しき皆さまのご協力で乗り切り、法要がはじまりました。 

午前は 『 宗祖讃仰作法 』 、午後は 『 宗祖讃仰作法音楽法要 』。  数年前に制定され、ほとんどの法中が慣れておられないのでは・・と少々心配しておりましたが、申し訳ありません、浅心者の心配でした。           導師・明顕寺かおりさんのもと、実に美しいお勤めでした。 

CDで何度も聞きましたし、本願寺の遠忌法要でも耳にしておりましたが、立派であっても何やら( 遠い感 ) がありました。
この日 『 ああ・・こういう美しいお勤めだったんだ・・ 』  とはじめて思えました。

実に実にこころに残る、尊い一日でございました。      ありがとうございました。

そして、大遠忌法要勤修。 誠に おめでとうございました。

10月29日、当山報恩講法要。
朝は本堂にストーブがいる程の冷えでした。 それでも例年より暖かな報恩講の一日。
ご講師に三隅・浄蓮寺の早川顕之師をお招きいたしました。  『 ひとの声として聞こえる叫び声の念仏は、わたしの頷きの念仏となる 』    『 往相回向・還相回向、信心におさまる 』 ・・・・  いつも通りの穏やかな口調で丁寧にご法話を頂戴いたしました。  悲しい事にわたしの失態。 朝、カメラを総代さんに渡すのを忘れていて、思いだしたのが午後の内陣勤行のあと・・・・ つまり、朝の本堂・台所の様子も 4人でお勤め頂いた朝の勤行も 8人でお勤め頂いた午後の勤行も、写真映像がありません。     かなしい・・。

とはいえ、数日前からお磨き・清掃のお力添え、早朝からマイエプロン・マイ包丁持参での賑々しい台所ご婦人衆、 遠近からのご参詣、お忙しい中 内陣に駈けつけて頂いたご法中、ご講師の先生により、今年も報恩講法要をご一緒させて頂けました事。 有り難く、深く御礼申し上げます。 誠に有難うございました。 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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