なんとか間に合いました。 9日から14日まで会期・《 第11回 現代日本画の試み展 》、会場画廊への作品搬入。
7日18時ギリギリに持参。 桐箱に納めた 掛け軸9幅は、ひ弱な肩に重く。 京阪・丸太町神宮駅から歩いて10分、寒いのに汗かきながら。

出来上がりを この日初めて見る作家方。  じっくり見るのは後日にして・・と皆して早速 展示、会場造りに。 
どこにどの作品を持ってくるか・・・この横はこちらのほうが・・・高さはこれでいいか・・・証明はこの角度でいいか・・・もっと遠くからあててみるか・・・机はこの角度で並べるか・・・いや、いっそ無いほうがいいか・・・キャプションは・・・。 

わたしは、ボ~と見つめているだけ。 みなさん、展示慣れしているというか何というか、ご自分の作品には殆ど触る事なく このスペース全体の為に動きまわって、思うことを語りまわっておられるのが印象的。 

それでも2時間の時間を要されました。   ほぼ準備万端 ( ほぼ、で万端はおかしいですね )。

テーマ、『 初春 』 という事で御軸以外にも 趣向凝らされたものも。  
ほう、鳥 一色のカルタですか・・えっ、帰ってまだ描く?  そりゃ大変だ。 
おお、この皿画 !< 十牛十図 >からでは?  やっぱり。  そうですかあ、可愛らしいですねえ。
なんと! これ、印 相じゃない? これ こうしたら < 施無畏・与願印 >。  えっ、知ってる?  おぬし、やるな。
えっ、これも出すの? 京都初お披露目? 反応、わたしもドキドキするよお。
やっぱこれ、いいですねえ。 いい。  いいなあ・・・・・

ボ~と見てるだけならもっと早く済んだかも知れません。  ちょこちょこ邪魔していた私です。   すみませんでした。

沢山の方が目にされる事を、皆さんに 色々な出会いがある事を わたしも願っております。 

11月29日・30日の両日、兵庫県相生市・教証寺さまにて< 報恩講法要 >のご縁。 
本山に奉職されているご住職には、普段親しく言葉をかけて頂いており、表装仕事でもご縁頂戴しているお寺です。
昨年3月の< 永代経法要 > に続いて二度目のご縁にて、お母さまや坊守さまとは 『 お久しぶりでございます。 お元気でございましたか? 』 とのご挨拶を。

夜座が終わってからの席には、昼間内陣出勤されていたご法中の中のお二人が招かれてありました。  何とも仲良さそうな楽しい方々。
『 今日お話しを一席聞かせて頂きましたが、あの 独特の< 間 >が好きです。 ご自分を持っておられるような・・。 』 
『 いや~そうですかあ? 』   と、褒められ好きの私はホクホク。  すると間髪入れずもう一人の方が、
『 そうか? 褒めすぎやで。 そんな たいした事ないで。 』   『 おいおい。 』  ( 皆大笑 )
お酒はすすみ、話は多岐にわたります。  

『 聞いてますか? お客僧。 ほんまに 布教使はひとの話聞かんなあ。 』 
『 聞いてますよ、聞いてるよ 田中さん。 』  違う名前言ってみました。
『 ほら! 名前も聞いてない。 もう、田中でええから聞いて下さいな。 』   ( 皆爆笑 )

仏法のお話にもなっていくのが嬉しく より楽しく・・・やっと手の空いた坊守さまや お迎えの奥様も入ってきて下さって いよいよ賑やかに。

もう一度・・と言わず、何度でもお会いしたい方ばかりと出会わせて頂きました。 ありがたし。  

和やかなお話を引き出して下さった聴聞 のご門徒さま、きちっとした美しいお勤めであったお内陣、大事な法要を待ちうけて落ち葉一枚無く掃きあげられたお庭・・・。    場面のひとつひとつを思い出しながら、京都を目指しました。    有難うございました。 ( 深く礼 )

24日に帰京し、明日また27日に島根へ走り帰山。  28日夜には京都へ走ります。  よく走りますねえ。

あいだ2日間だけでも京都にいるには理由が。  そう、表装の作業です。 

ここ数年携わらせて頂いている 《 第11回 現代日本画の試み展 》 。  画家のみなさんの作品を掛軸に表装します。
作品を持参された画家方が来宅。 本人が裂地を選び 寸法にいたるまで決める < 楽しみ > と < 苦しみ > 。
画を描く事で終わるのではなく、作品と共に目に入ってくる表装部分まで考えて ひとつの作品とする。   もちろん、表具師と相談されてきた画家も書家もおられますし、わたしも相談を受けてきましたが、この 《 試み展 》 では 『 そこまで自分で決めなくてはならないか・・。 』 というはど 決めてもらっています。     悩みに悩まれます。    裂地が決まっても横幅分量をかえるだけで 随分 画の印象が変わるんですから。  『 楽しくて 苦しい 』 そうであります。  どう悩んでおられるのかをお聞きすると、それは この画をどういう思いで描かれたのかを お聞きする事になりますので、わたしにとっては 楽しい時間です。

12月9日~14日・京都中京区 art space MEISEI 。  16日~23日・大阪西成区 壽光寺  の二会場 にて。 今回は 「 初春 」 をテーマにした画が並びます。 お正月の床の間・洋間にいかがでしょうか。 

『 初春、のテーマで こう来たか! 』  という画に出会えますよ。 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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