

11月29日・30日の両日、兵庫県相生市・教証寺さまにて< 報恩講法要 >のご縁。
本山に奉職されているご住職には、普段親しく言葉をかけて頂いており、表装仕事でもご縁頂戴しているお寺です。
昨年3月の< 永代経法要 > に続いて二度目のご縁にて、お母さまや坊守さまとは 『 お久しぶりでございます。 お元気でございましたか? 』 とのご挨拶を。
夜座が終わってからの席には、昼間内陣出勤されていたご法中の中のお二人が招かれてありました。 何とも仲良さそうな楽しい方々。
『 今日お話しを一席聞かせて頂きましたが、あの 独特の< 間 >が好きです。 ご自分を持っておられるような・・。 』
『 いや~そうですかあ? 』 と、褒められ好きの私はホクホク。 すると間髪入れずもう一人の方が、
『 そうか? 褒めすぎやで。 そんな たいした事ないで。 』 『 おいおい。 』 ( 皆大笑 )
お酒はすすみ、話は多岐にわたります。
『 聞いてますか? お客僧。 ほんまに 布教使はひとの話聞かんなあ。 』
『 聞いてますよ、聞いてるよ 田中さん。 』 違う名前言ってみました。
『 ほら! 名前も聞いてない。 もう、田中でええから聞いて下さいな。 』 ( 皆爆笑 )
仏法のお話にもなっていくのが嬉しく より楽しく・・・やっと手の空いた坊守さまや お迎えの奥様も入ってきて下さって いよいよ賑やかに。
もう一度・・と言わず、何度でもお会いしたい方ばかりと出会わせて頂きました。 ありがたし。
和やかなお話を引き出して下さった聴聞 のご門徒さま、きちっとした美しいお勤めであったお内陣、大事な法要を待ちうけて落ち葉一枚無く掃きあげられたお庭・・・。 場面のひとつひとつを思い出しながら、京都を目指しました。 有難うございました。 ( 深く礼 )
24日に帰京し、明日また27日に島根へ走り帰山。 28日夜には京都へ走ります。 よく走りますねえ。
あいだ2日間だけでも京都にいるには理由が。 そう、表装の作業です。
ここ数年携わらせて頂いている 《 第11回 現代日本画の試み展 》 。 画家のみなさんの作品を掛軸に表装します。
作品を持参された画家方が来宅。 本人が裂地を選び 寸法にいたるまで決める < 楽しみ > と < 苦しみ > 。
画を描く事で終わるのではなく、作品と共に目に入ってくる表装部分まで考えて ひとつの作品とする。 もちろん、表具師と相談されてきた画家も書家もおられますし、わたしも相談を受けてきましたが、この 《 試み展 》 では 『 そこまで自分で決めなくてはならないか・・。 』 というはど 決めてもらっています。 悩みに悩まれます。 裂地が決まっても横幅分量をかえるだけで 随分 画の印象が変わるんですから。
『 楽しくて 苦しい 』 そうであります。 どう悩んでおられるのかをお聞きすると、それは この画をどういう思いで描かれたのかを お聞きする事になりますので、わたしにとっては 楽しい時間です。
12月9日~14日・京都中京区 art space MEISEI 。 16日~23日・大阪西成区 壽光寺 の二会場 にて。
今回は 「 初春 」 をテーマにした画が並びます。 お正月の床の間・洋間にいかがでしょうか。
『 初春、のテーマで こう来たか! 』 という画に出会えますよ。
益田市・美濃地、東光寺さまへ報恩講のご縁。
『 若い人がいなくなった・・ 』 『 みんな歳をとって田んぼをする人が減ってきた・・ 』 お斎をよばれながらの総代がお話。 しばらくの間、無住職であったこのお寺。 それでも門徒さま方だけで維持してこられてあったお寺。 このお寺に若い住職が入寺、24歳。
わたしの従兄の次男。 大谷派寺院に生まれ育ったとはいえ、大きな決断。 市内に就職し兼業しつつ・・・・。
お茶を飲みながら様子を尋ねる私に、『 事の重大さが分からないまま入寺したから 良かったのかも知れません。』 と。
なるほど。
大きな体格で穏やかな口調。 ポツリ ポツリ と色んな事を聞いて来てくれる。 何か答えると、しばらく考えていて 『 ・・・うん。 ・・うん・・・。 』 あぁ、 お父さんに似ている。
『 ぼくは、整理・管理能力が欠けているんですよ。 職場の机の上もどんどん積み重なってきて・・見ると、どうしようとおもうんですよ。 』
『 そう。 ・・じゃ、管理能力のあるパートナーを早く見つける事だな。 』
『 やっぱり、そこですか。 』 ・・・・・しばし沈黙。
『 だとすると、ぼくは一生このままって事ですよねえ。 整理出来ないまま・・・。 』
これはこれは。 一本とられましたか。 『 ははは。 じゃ、そのパートナーに毎日ビシビシしごかれるってのは どう? 』
『 ・・・・そうですねえ・・・。 』 (笑)
その後、本堂から聞こえてくる ビックリするほど元気のいい彼のお勤めの声。
お世話のご婦人も、ご聴聞のみなさんも、お斎をご一緒した総代さまも なんとも穏やかなお顔。 微笑み顔。
彼に熱いエールを! ひとごと・よそごと どころでは無いにしても、熱いエールを!