2月28日、西蓮寺本堂にて 《 初参式 》。 
誕生一か月少々の 『 千紗子 』 ちゃん。 お母さんの玲子さんも、西蓮寺で初参式を受けて頂いています。父が導師でした。  そのお母さんも初めてのお参りは西蓮寺であった事でしょう。( わたしの姉ですから )  3代に渡っての参拝です。

この日、お父さんは群馬から、 身内も岡山・広島から駆け付けて慶びのお参りです。  
お勤め・ご法話・記念品授与・記念撮影のあと、皆で和やかにお食事。 実に楽しい法縁でした。 

名前に込められた願いが書かれたお便りを頂いていました。
<千>は、たくさんのひととの出会いや経験を通して 沢山の事を学べるように。  <紗>は良縁が出来(糸)、希少な存在として(少)生きていけるように。 
(子)は、それらの願いが最初から(一)最後まで(了)続きます様に・・・・・・・。     と。

まさしく出会いの世界に生まれ出てくれました。  ひとと出会い、出来事と出会う。  そのたびに、新しい自分と出会い続けていく事でもあります。 

《 日々誕生 》。  おめでとうございます!

すごい出来事に出会いました。
昨日、神戸・長田区のお家を訪ねての事。

友人のご住職から 『 門徒さんのお家の仏壇内の 《 御本尊 》 絵像掛け軸、かなり傷んでいるので 修復してほしい。 』 と、連絡を頂いていました。           修復するならどう修復するか、又はするべきかどうかのご相談に伺いますという事で、昨日 夕方ご住職と一緒に参りました。

ご住職のお勤めの後、お軸を外します。             本来なら<35cm×12cm> の大きさの軸が掛るところに<65cm×25cm>と随分大きなお軸が窮屈に掛っておられます。        下を巻きあげ上を折り曲げ・・・。  かなり・・というか非常に傷んでいて触ると パキパキ とこぼれ落ちていきます。    仏壇内の柱に阻まれ、押しつけられた押しピンも外れず 汗をかきます。

やっと外し出されたお軸を見て、驚き。   < お顔 > がありません。 

衣もありません。 裏打ち紙がはずれ絹本がひらひらと浮いており、顔料が粉になって落ちてしまっておられます。 

『 これは・・・・・。 』    ・・・・・ しばしの沈黙。  そして、ご説明を。
①・現状のままで修復は可能である事。  ②・修復しても、お顔・衣が蘇る事はない事。  ③・絵師に依頼して、お顔・衣を描き足してもらう事は可能だという事。  ④・このお仏壇に掛る様に修復するには、絹本絵像を小さくしなくてはならない事。  ⑤・文字が消えているが裏書きが有ることから本願寺から下賦されたお軸であり、三種類の裏打ち和紙から過去2回は修復されたものである事。  ⑥・修復はせず、この度新しく本願寺から本尊絵像軸を頂かれる選択肢もある事。 ( そのほうが、費用がかからない事 )。  ・・・・等々。

おそらく70代の御夫婦、じっと話を聞いて頂きました。  そして、仰った言葉 『 直せるんですか、何年も掛けられる様に。 』    『 直せます。 ・・・このお姿のままでいいんですか? 』   『 これ以上傷む事なく直せるなら、このままで直していただきたいと思います。 お願いします。 』  

阿弥陀如来の本当のお姿は 《 光 》 である。 この色も線も崩れ落ちたお姿を見た時、真っ先に頭に思い浮かんだ事でした。
そして、お顔がどうあれ 衣の美しさがどうあれ、長年にわたり何代にもわたり このご本尊の前に朝晩座ってお参りされてきたであろう事。
親が手を合わせてきた場所を大事にして、親に手を合わせる事を教えてもらった場所を大事にしてきた何代もの歴史があった事。  

ずっと以前のお仏壇はもっと大きかったのでしょう。  お仏壇や仏具は変わっても、御本尊だけは変えずに この御本尊を掛け続けてこられたのでしょう。 

そして、この度も 描き足す事を選ばれず、新しくされる事も選ばれず・・・・・・・。

感銘をうけました。

帰りの車の中で、ご住職と話します。  『 いや~、うれしい出来事に出会わせていただきました。 本尊の姿にも驚きましたが、このまま修復してお参りしたいと仰った事に驚きました。 』   『 いや~、私もうれしいですよ。 もし、要らないと言われれば私が頂くつもりでした。 』  と、笑って仰いました。  

すごい出来事に 出会ってしまいました。  
さて、これからが 少々大変です。   数年前ならこの仕事は受けていなかったと思います。  中々の修復になります。  

いや、必ず 直しきってみせます!

 

2月11日、三隅町・<西の谷集落>集会所にて、「 法話会 」。 
岡見地区のほとんどの集会所には お仏壇があり、阿弥陀如来が安置されています。 この日はその集落の方々、そしてその集落の方々中心の集まりである< 王山クラブ >( 老人クラブ )の方々で、報恩講並びに追弔会のお勤め。  後、二席のご法話という日程です。

ここは、近隣の住職に順番に依頼されていて、今年は何年かぶりに私 にご依頼下さった訳です。

お昼前に到着して、役員の方々とお昼食をご一緒させていただきました。  朝早くから集会所の台所でご婦人方が手作り。
なんとまあ、食べきれない程のご馳走。   一品一品美味しく頂きました。   普段あまりお出会いする事のない方との会話も、ご馳走のひとつ。 

ここは国道9号線に面しているので、( 西蓮寺あたりと違い ) 晴れやかで日当たり良好。    うらやましいかぎり。

うれしい一日を頂戴いたしました、ありがとうございました。

15日は午前中、< 床並集落 > の報恩講。 午後は < 宮ヶ迫集落 >の報恩講。
どちらも、集落集会所のお仏壇にて。        浄土真宗ご法義篤い伝統のある 《 石見地方 》 ならではの伝統行事です。 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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