祝い酒!

あれは2年前でしょうか。

若夫婦とも娘の友人である広島のお寺の表装仕事を頂きました。  納めに行った時、長男ご出産との事を聞いていたので、お祝いを持って行きました。     日本酒、一升。 

『 日本酒一升って! よろこんでもらえてるん? 』  と娘に笑われた事です。

いやいや、皆さん。   ただの日本酒ではありません。
京都・伏見・北川本家 ( 富翁・が有名な造り酒屋 )  の作りたて量り売りの店 《 おきな屋 》 にて、その場で瓶詰してもらう。 それだけでも好きな者にとっては垂涎ものですが。   その上、何より ここだけのサービス。 < 自筆のラベル > を貼ってくれるサービス。       色んなお祝いに趣向をこらした文言をシタタメテ、一升瓶担いで出向いておりました。    到着するのは数時間後。       お酒そのものは、その場で呑むのが一番いい冷え具合で 最も美味しいのですが、そこは仕方ありません。
その酒のウマさは言わずもがな、筆を持ち 自分で好きにラベルに書けるのが、面白いんです。 

長男ご誕生、そのお祝いのラベルには、誕生の男の子の「 名前 」 を ド~ん と書いてのプレゼント。 
『 こんな銘柄のお酒、あったんですか!? 』  と言ってもらえたよ! と娘に言いましたが、そりゃ そう言うよ と不審がられていました。 お父さん、若いひとには もっとオシャレなプレゼントを・・と・・いう事・・かな?・・。    そうか・・     そうだなあ・・。

それからしばらく経った 昨日。   その彼から娘に一本の電話が。 
『 次男が生まれた。 お金は払うから、次男の名前のお酒を世話してくれないか。 』  と。

『 ほら、見ろ~~~!! 』   『 よろこんでもらえてただろ~~! 』     鬼の首を取った様な・・というのは、こういう事をいうんだなあ・・と思いつつ 叫びました。

そこで、桃太郎の様に勇んで かのお店に参りました。   そして ラベルにお名前を ド~ん と書いてきました。 

もっと字が上手かったら良かったのでしょうが、そこは 思いっきり目を瞑りましょう。   瞑って下さいね。  世界でたったひとつの祝い酒です!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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