『 隣の花は赤い 』。       ひとの他人に対する嫉妬心、羨望の思いは国を越えていて、『 塀のむこうのリンゴが一番うまい 』 (イギリス) ・『 隣の雌牛はたくさん乳を出す 』 (パキスタン) ・『 他人の手にあるパンはバターがついていて美味しい 』 (ブルガリア) ・『 他人はいつもお祝いをしている 』 ( カフカース) ・・・・・・実に多くの諺が各国にあります。  

他人との比較の中でしか自分の幸福を見いだせない人間の姿を 哲人モンテスキュー曰く。
『 もし人がただ幸福であることだけを望むとすれば、すぐになれるであろう。 
しかし、人は他人よりも幸福になりたがるもので、それは大抵困難である。
なぜなら、われわれは他人が実際以上に幸福だと思うものだからだ。 』 

・・・・なるほど なるほど。  邪智邪見。  求めているものがはっきりしていると言いながら、どこまでいっても得られるはずはない訳で。      加えて< 多財餓鬼 > 、『 富は貪欲の母 』 (コロンビア)。  あればあるほど欲しがり満足なければ、安らぎの時はいつまでたっても訪れることは・・・・。

午前中そんなお話を枕に お話した後の、午後の くじ引き《 あてもの大会 》。 
今にして思えば 「 何が当たっても人さんを うらやむなよ。 」 との事を、意地悪にも前もって聞かされたみたいですが、当方そんな気は全く無く たまたまのお話でした。  いや、ホント。   もし、そう受け取っておられた方がありましたら、すみません。 

もちろんご参詣の方々、例年通り賑やかな時間を。  ご自分になにが当たっても笑顔、おひとに何が当たっても笑顔。( ですよね (笑) )           くじ引きの後は、新聞紙+ガムテープボールでの < パットゴルフ >。  景品目がけて慎重に打てども、あちらにコロリこちらにコロリと、腕に覚えのある方ほどうまくいかないらしく大賑わい。   

それでも今年分用意した景品が少々あまっていたので、急遽 < クイズ大会 >。
『 わかったひとは手をあげて下さい。 早いひとに解答権。 』 
『 三択です。 わたし、住職が今朝食べたものはなんでしょう? いちばん・・』  『 ご飯とみそ汁! 』 ・・・・いや、おばさん、三択ですって。 それに手をあげて・・まあ、いいや・・。(笑)

『 いいですか、次も三択です。 くれぐれも手をあげてね。 わたし、住職の好きなものは何でしょう? ① お酒 ② お金 ③ おんな。 さあ、何番! 』 
『 お酒!』  『 お酒!』 『 お酒!』  本堂中、お酒の大合唱。 ・・・・・あのね、みなさん。黙って手をあげて・・・・まあ、いいや。 おんなやお金の大合唱でなかっただけで・・。(大笑) 

『 さて、最後は総代長にかんする問題です。 三択です。 総代長の好きなものは? ① 奥さん ② 奥さん ③ 奥さん、さあ、何番! はい、どうぞ!』   『 奥さん!』   『 正解!! どうぞ、景品を!』 (拍手喝采)

最後は、何番を答えても正解という< くらべようのない >ところで、みなさんと大きな笑い声の中で終えさせていただきました。    ありがとうございました。 

恒例の渋滞の列を沢山の方々とご一緒する、5月連休。
渋滞ぬけると目に眩しい中国山地、さながら湧き上がる若緑の入道雲。
黄草・青草・若葉・緑青・白緑・・・その中に 『 こんなにもあるのか・・。 』 と思うほど姿を現わす< 藤 >の大木。
驚くほどの大木もあります。 それらは全て < 薄紫 >。  自生するものはみな紫なのか、と思うほど。

西蓮寺に帰山すると、境内の白藤も 『 そろそろですよ 』 と胸を張っています。  目にする方少ない山寺、『 降誕会法座まではもたないだろうなあ・・。 』

4日、朝は雨も落ちていましたがみるみる晴れ上がり、お参り帰りににはすっかり春の海。  < 誰もいない海 >・・ですね。  お坊さんの格好ですからまさか、笑いながら裸足で駆けまわる訳にもいかず。  大人しく帰りました。

4月24日島根に向って走ります。 この度はひとりではなく、同行のお方が。 

読売新聞記者・デスクを退職後、得度され真宗僧侶に。 現在読売テレビ宗教担当として忙しくされている本間氏です。    京都・俵屋画廊にてよくお出会いし、松本画廊主ともどもにあらゆる方面に飛んでゆく楽しい話題をご一緒させていただいております。

氏がこの度、島根・浜田市金城町の< 光超寺 >の永代経法要の講師に招かれるという事で、『 それは何としても同行させていただき、西蓮寺にも立ち寄って頂き、聴聞も一献も。 』   との事で、運転手に名乗り出た次第。

翌25日、光超寺に参詣。  実に味わい深いご住職にお会いするのは初めての事。  実に。
お話を聞きながら山菜溢れるお斎を頂き、  本堂に出れば沢山の参拝の方々。

長年の記者生活の中での印象深い3つの記事、その中で噛みしめられた仏法のお話をお聞きしました ( それは大きな事件では決してなく、おそらく世間の100大事件にも1000大事件にも入らない記事です。 その記事が彼の記者人生で最もこころに刻まれる記事だった  ・・・・・・・・・・聞いてみたくなったでしょう? そうですか。  では、氏に内緒でコッソリお話しましょうか? 氏ほど熱く伝えられないと思いますが (笑) )。  それを通してわたしに訴えられるお言葉をお聞きいたしました。  衣を着けず聴聞の一日、得難い有り難い一日でした。


法要終わって二人で京都に向かっての車中。  それぞれに考える事あってかどうか、5時間あまりほとんど話す事なく走り続けましたが、居心地どうのこうのを考える事無く 大事な時間であったように思いました。 

明日28日また 島根に向って走りますが、忙しい日程のようの見え 得難い大事な二日でありました。 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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