益田市にある県立美術館・グラントワ。 
壁面がこの地方独特の石州瓦でおおわれた 美しい姿。

16日まで会期の企画展・『 祈りの仏像・石見の地より 』 。  普段は寺院の内陣奥に安置されている白鳳・鎌倉時代から伝わるご本尊、まじかで目にさせて頂けるという事で、何としてでもと行って参りました。 

勢いよく彫られた四天王立像・古き時代に大陸から伝えられた観音菩薩像・金箔は落ちてもそれが為いっそう美しい阿弥陀如来像・・・。                                                                           そういう思いになるのではないかと想像していたのですが、やはり。 有り難い企画ですし行きたくて来たのですが、まじかでジッと見つめるのは、申し訳ないような目を伏せたくなるような。  小さく合掌して・・・。

重ねての企画に浜田市三隅出身で法然・弁長に続く浄土宗第三祖 良忠上人 ゆかりの美術展も。
ここではなんといっても ( 当麻曼荼羅縁起絵巻 ) 。 浄土の様子を観無量寿経にそって曼荼羅図に描かれてある奈良・当麻寺に伝わる御軸がどのようにして出来上がったのかその始終が描かれています。  普通の絵巻よりはるかに大きい事と、その繊細な美しさに驚きました。 神奈川の光明寺から出品された国宝です。  これはジッとジッと見つめられました。 

帰えると、留守番をしていた老母が ( 打敷きくらいは引いてあったかね? )  
いや、そういうものじゃないいんだよ。 と笑って言いながら・・・。

あなたの感覚のほうが 正しいよ、老母よ。

10月22日からずっと西蓮寺にて、参り合いのお寺の報恩講出勤とご門徒さまお内仏の報恩講参りをさせて頂いておりますが、法務でいちど京都に出なくてはならず。  その帰りに表装のご相談で鳥取市に立ち寄る事に。

隣の県とはいえ、鳥取市は初めて訪れました。  用件が済み走り始めたのは午後4時すぎ。  雨模様のこの時期はすでに暗くなっていて、楽しみにしていた海岸沿いの国道9号線も淋しいばかり・・・。 

それでも何とか鳥取らしいものを目にしたくて< 道の駅 > に立ち寄ります。
まあ、素晴らしく野菜・山菜ものが並んでいます。   砂丘の長いも・・そうですねえ。  らっきょう・・そうですねえ。   大きなナシ・・その通りですねえ。

そしてやはりありました、ナシグッズ。  お菓子にジュースにポン酢・・・ポン酢? 

しばらく手にとって眺めます。  『 どんな味だろう・・変わってるなあ。 』  『 止めときなさい。 』 こころの中が論戦。              せっかくここまで走ってきたんです。 買いました。   自分が決めた事です、悔いはありません、喩えまずくても。 ( いや失礼。まずいはずはありません )

そんなこんなで走りに走って、西蓮寺にたどり着いたのは午後9時前。  8時間以上走った日でした。 がんばれ、8年落ち中古!

10月29日・西蓮寺報恩講。 比較的穏やかな暖かい日。 
早朝よりお斎準備の為、台所お手伝いの方々がお寺の坂道を登って来られます。 

ご講師は、鳥取・八頭の光賢寺住職・西池文生師。 遠方よりご出講頂きました。
たまたまお出会いしたのが3年前になるでしょうか。 その時はほとんどお話する事もなく。 その後またたまたま本願寺前の仏具店でお出会いし、互いに驚きました。 その時、『 これは深いご因縁。今晩一杯やれという事ですねえ。 』 と、伏見でむりやりご一緒いただきました。  その時いろいろお話して < あ~この方のご法話をゆっくりお聞きしたいものだ > と思っておりました。 この度やっと叶いました。

来て頂いて本当によかった・・・尊いご縁を頂戴いたしました。
ご自分の歩んでこられた事を通してのお話。 出会われた方々とのお話。 それらを 出会われた言葉を通してゆっくりゆっくりお話して頂きました。     我が身をふり返り  深く静かにこころに残るお言葉がございます。 
このさき、少しずつでも噛みしめてゆきたく思います。

お同行さま帰られる中 、『 この度、わたしのお話をしてくださいました・・。 』 と仰った方が。

尊いことです。  みなみなさま、ありがとうございました。 

山寺、寒くなってまいります。  皆さまのお身体お大切をこころより念じ上げております。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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