万緑の声いよいよ盛んなる頃です。 
5月21日は、宗祖親鸞聖人のお生まれになられた日をご縁にした法座< 降誕会法座 >。
お誕生日おめでとうございます、というより今のわたしに正しく仏法を伝えて下さり「お誕生ありがとうございます」のお心持ちにて、みなさまとお勤めさせて頂きます。  

午前はお勤めと法話聴聞。お祝い喜びの日でありますので、毎年午後は本堂に音楽を流しながらみなさんの笑い声溢れる催しを。 先ずは景品くじ引き、今年は幼稚園経営されている大阪のお寺さまより「そんな楽しい催しをするなら役立てて」と沢山提供いただいていた品々を袋に入れて番号付けて準備しておりました。 お皿・カバン・グラス・スカーフ・エプロン・・・。

この日のテーマは≪ ひとりひとりが主役の日 ≫。
一人づつ前に出てくじ引きして、景品の袋を貰ったら正面で広げてみなさんに披露。エプロン当たったら着けてポーズ、リュックサック当たったら背負ってポーズ。 
そして住職からのインタビュー。   
「いいの当たりましたねえ。おめでとうございます!今日はどちらからお越しですか?」 
「・・三隅から。知っとんさろう?」(笑) 
「知ってますけどね。(笑) どうされます、このお皿。何の料理作られます?」
「そうねえ。素麺ですかねえ、どうでしょう。」
「いいですねえ。出来上がったら呼んでくださいよ。」
「ご院家さんを?いいですよ。美味しいのできたら。」(笑) 「ありがとうございます。」

「おめでとうございます、これはビールグラスですかねえ。呑まれます?」
「いえ・・お茶を飲むのにしましょう。」
「いかがですか、最近どなたかからプレゼント貰われた事ありますか?」
「はい、この間母の日に、息子が蘭の花を送ってくれました。」
「まあ!いいですねえ。まだ元気に咲いてますか?」
「咲いてます咲いてます。お陽さんにあてたり、しまったり楽しくお世話しています。」
「枯らすわけにいかませんもんねえ。」
「そうですそうです。一生懸命ですよ。」(笑) 「それでですねえ・・。」

普段ご挨拶くらいしかしていなくて、あまりお喋りされないお方かなと思っていたお方。そんな事ありませんでした。マイクむけながら楽しく皆さんの前で大笑いでお話しくださいます。

その後、紙飛行機とばし。 必ず正解する○×クイズ。 いつもは座ってお勤めと聴聞の本堂にて ≪ ひとりひとりが主役の日 ≫ 。

この日のみならず、舞台の脇にいる時も、舞台袖にいる時も、如来さまのまなざしの中では私はいつでも主役です。

永代経法要、4月8日。 
全国的に桜の開花が遅れた今年、裏山の桜が満開にて参拝のお同行さまを迎えてくれました。植えられた時は細く小さな苗木だった彼も、年々枝ぶりが立派になっていきます。

そういえばこの日8日には全く葉をつけていないように見えていた庭木、22日には驚く程に葉を付けていてビックリしました。春に紅葉するモミジ、ノムラモミジというのだと教えていただきましたが。鬱蒼として・・と言いたくなるほどに。

そこで24日に思い切ってザッパリと剪定を。剪定というより、ノコギリ片手に大暴れと言ったほうがいいでしょうが、それでも登ったり降りたり右から見たり離れて左から眺めたりと思案しながらの大暴れです。  ああ、随分スッキリとしたなあ・・と汗びっしょりで縁側に暫し座って眺めます。

それがまた驚いた事に、26日に気が付いたら随分葉が伸び増えているではありませんか。
こんなに早く成長するものでしたか。 たった2日ですよ。  知りませんでした。
あまりに切り方が悪くてモミジが怒っているのかとさえ思いました。  ハハッ、まさかねえ。

・・そうなんでしょうか・・。 

桜も26日には葉を纏った姿を見せていました。
走り回らない・声をあげないというだけで、実に大雄々しく生きているんですねえ。

モミジ・・怒っていませんよねえ。

彼岸が過ぎ、すぐ4月。 4月8日の永代経法要の案内状を作成。文章書き上げ封筒に入れ表書きして、手配りして下さる総代さんの集落ごとにまとめて、と。遠方の門徒さまご縁のお方に郵送 するのが20通ばかり、そういえば、母が切手を沢山買っておいたので使ってくれと言っていたなあ。  

『 なんじゃ、こりゃ!?!? 』 
『 何って、切手。 』 
『 いやいや、これは使えんだろう。』 
『 なしてね。』 
『 いや・・これ。漫画で。・・キティちゃんやんか。お寺の案内には使えんで。』
『 なしてね。切手じゃろう。』 
『 いやいや。あなたわざわざコレを選んで買ったんか? 普通のでええのに。いや、普通 
のがええのに! ・・しかもあんたコレ、ハートの形。住職頭おかしくなったと思われる
で!』
『 何でもいいですかって聞かれたから、何でもいいですって。細かい事を言うねえ。
誰も見りゃせんよ。』 
『 いや、見るよ! ハートは見るよ! いったい何枚買ったん? え?ひ、百枚!! 』
『 あんたがいる思うて。 ええから使いんさい。 女のひとにハート貼ったらええ。 』
『 ああ、もう分かった分かった。 ・・はぁ~・・ 』

女の方にハート貼ってみました。・・・かえっておかしくなりました。 しかし、男のひとにはもっとおかしくなるかと思い、男のひとには丸いのを貼ってみました。 ・・・数枚、あれやこれや考えながら貼るうちに訳が分からなくなってきました。

住職。 頭がおかしくなった訳ではありません。
せめて。 せめて、お寺からの「ラブレター」とお思いください。

ご参拝、お待ち申し上げております。 (うっすら涙)

 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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