本山で勤修されている伝灯奉告法要に参拝。三隅組で募り住職10数名とご門徒さま80名、バス2台で3月14日早朝6時に出発。午後1時には京都に着き、2時からの法要に会いました。

西連寺からは私と姉と弟の3人がお参りを。小さい頃は、いつも一緒にいる事を当たり前とも思わぬ程当たり前に過ごしていた姉弟 も、歳を重ねると中々出会う事すら少なくなってしまっています。   おそらく揃って参拝など、今回のように強い縁がないと出来ないかと思い声を掛けたところ、二人とも仕事を休んで一緒してくれました。  それぞれに思うところあってくれたんだと思います。  次の日は大谷本廟参拝もさせていただき、四国に渡り讃岐の庄松同行ゆかりのお寺 などを参拝して帰ったのは16日19時過ぎでしたでしょうか。

本山での凛としたお勤めに会えた事はもちろんですが、 同じものを見て聞いた2泊3日の時間は大事な時間として、ずっと残っている事と思います。 

しばらく表装仕事の話題ありませんでしたが、ずっと作業いたしております。
色々な方と出会わせて頂きながら。 

昨年出会いを頂いた女性画家、不思議な日本画。 随分と時間をかけて裂地を悩まれた末、思い切った裂地を選ばれました。 バリ島の裂地です。 大江和上の「 自然法爾 」を額装に。 西連寺にも来講頂いた先生です。わたしは生まれたばかりで記憶にありませんが。      浅田勧学の書も額装に。 額装にしそうな横書ですが、軸装に。 これなど軸にされた方はまずおられないでしょう、横寸法4尺(120㎝)になりました。 堂々たる一幅になりました、王義之書拓本。
三十六歌仙二曲屏風。土台・紙番から作るので中々の手間仕事。

修復仕事も。 良如上人御影。 復元織裂地を使用して横幅をゆったりとして、とのご依頼でした。

これは古い時代の軸、実如上人裏書きのある親鸞聖人御影。 何度も修復されてきた御軸。修復途中、以前の修復師の仕事を見せて頂きながら作業させて頂きました。 お顔も見た事無くとも、これも「お出会い」。

2017年も、もう2月27日。 
昨日あるお方から法事のご相談でお電話があり、用件終えた後『 以前書き込んでおられたあのお話、あれを読んで・・・。』 懐かしい事を話題にしながら、そういえば実に長く書き込んでいないなぁ・・と反省。 

1月は慌ただしく、走行距離5000㎞・京都島根を5往復と走りに走っておりました。そのうちの1回、13日に京都から島根・17日に島根から京都というものが。 14・15日がご縁のお寺御正忌法座布教、そして16日の当山西連寺御正忌法座にむけてのものでありました。
この時、京都在住のある男性を 助手席に乗せての往復旅でもありました。

わたしより数歳年上の山本さん、最初のお出会いは25年以上前かと思います。当時勤めていたお寺から毎月お参りに行っていたお家の座敷で、いつも正座して待ち構えておられました。「待ち構えて」というのは、行く度に仏法に関するありとあらゆる質問を用意しておられたからで。     若いわたしは何とかお答えしようとするものの、窮する事しばしばであった記憶があります。( 今でも立派に応答は・・・ )  夜に招かれて、互いに真宗聖典を開き喧々諤々の事も。 

数年そんなやりとりがありましたが、わたしがそのお寺を退職した事もあって15年ばかり出会っておりませんでした。 昨年とある通夜葬儀の場で久々に再会し、懐かしさに日を改めて出会う約束を。( わたしの事ですから一杯やりながらって事ですね。ご想像通り。 )

その席で溜まりにたまった質問が・・・だけではなく、若い時は神事に熱心であり神官指導のもと「お百度」踏みから何からやっておられた事、疑問を持ちその後 修験道として滝に打たれる毎日を送っておられた事を聞かせていただきました。 最初のお出会いの頃は滝に打たれていた頃であったと。 ( そういえば目つきが・・。) そして何故その道を求めるようになったのかもお話下さいました。 
そして今のお心持ち、仏法お念仏の受け止め味わいもポツポツと。

かなりの時間をご一緒したでしょうか、わたしから提案を。
『 いかがですか、山寺ですが今度一度西連寺に来られませんか? 』
『 はい、是非訪ねてみたいですねえ。実は以前お近くまで行ってみた事あるんですよ。 』
『 ええ! そうなんですか。知りませんでした、遠かったでしょう?(笑)  今度はわたしが車でって事で。 1月に帰山する時に同乗いただいたら交通費はタダ、同じものを食べて頂くなら食費もタダ。 夜は一杯ご一緒に。 』
『 そんなのいいんですか!是非とも。 』
『 ただし条件があります。14・15日とわたしが行くお寺に同行して法話を聴聞する。 』 
『 願ってもない事、是非。 』 
『 もうひとつ。16日西連寺御正忌法座の本堂で、今わたしに話して下さったお話をして頂く。 』 
『 ・・・・・。 わたし、人前で話なんかした事もないですし出来ませんよ。 』 
『 その後でそのお話を受けて、わたしがお話します。 』 
『 ・・・・。 いいお話も有難いお話も出来るはずありませんよ。 』 
『 はい。 』 
『 ・・・・。 出来るはずありませんよ。 』 
『 はい。 』     『 そんな・・・・。・・・・。 』

という事で13日早朝お迎えに行き助手席に。この数か月原稿を書いては捨て書いては捨て緊張しっぱなしであったとか。  一度聞いてみて下さいと仰るのを「 いや、その場で初めて聞く方がいいので 」と断り、何てイジワルな人だと言われながら一路西連寺を目指します。
着いてからも緊張緊張不安不安と言いながら何度も誰もいない本堂に入っておられました。
気の毒に。

当日、15分のお話を2席。 驚きの声や、頷き。たまに笑い声。 西連寺の本堂の皆さんは温かく迎えてくださるのは分かっていましたし、聞いて頂きたいと思っていたお話。  本当にいいご縁いい一日になったと、合間に暖を囲んで色々なお話をされている皆さんと山本さんを眺めながら思いました。

17日、西連寺を出てわたしが広島で法事を勤める間、映画館で時間を調整いただいてから京都に着いたのは夜遅く。   長い長い旅でした。 

そして暫くアップしていなかったからか、長い長いお話でした。

 

 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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