『 この色で。 』 と頼んでいた 表装裂地反物が出来上がり、届けて頂きました。  

ひとつの文様柄が 15cmと 迫力ある裂地です。  とても 綺麗です。 未だ 何の作品に・・という予定も当てもないのですが、美しさに 手元に置いておきたくて 織ってもらいました。  少々高価にて、一反は頼めず 半反で・・と無理を聞いてもらいました。

 裂地屋さんが たまに やって来られます。
『 こんなのがありますよ。 栗山さん好みじゃないですか? 』  ・・・確かに。 よく ご存知で・・。
『 これなんか まあ、普通の表具屋さんは使われませんよねえ。 栗山さんくらいでしょうねえ。 』 ・・・うう、煩悩が刺激される・・。

 ありがたい事なんです。 私の事をよくわかっていてもらって 楽しむように色々見せて貰えて。   断っても 怒らないし。   ただ問題なのは、この先 手にした裂地を使わせて貰える<作品>と 出会えるかどうかって事で・・。
  そうでないと ただの <裂地収集家>として 家内に睨まれるだけですから。
 
この裂地、裏も いい感じなんですよ。   たまに 裏を表として使う事があります。    『 裏を使うなどと そんなのは 邪道だ! 』  と怒る方があります。   いいんです。   怒る方は、なにを言ったって 何を やったって・・・。

  西蓮寺を出て しばらく走ると、樹木のトンネルを何度も くぐりぬけます。 キツネに騙されているかの様に、似た景色が繰り返されます。



  と いうことは、西蓮寺に帰る時は 何度も樹木の トンネルをくぐらないと 辿り着かない訳で。        初めてお見えの方は 『 ここ・・・さっき 通ったよね。 』
などと よく 仰います。
 ある 小さいお子さんは 『 ぜったい、まっ黒くろすけ がいるよ! 』  と。 ( となりのトトロ に出てきた アレですね )

 あの アニメ映画では、 低い樹木のトンネルを くぐりぬけると、トトロのいる 不思議な世界に辿り着くのですが   ・・・・・わたしも 樹木のトンネルを くぐりながら、同じ世界でありながら 少~し 違う世界 ( 西蓮寺 ) を目指している様な気になる時があります。  携帯圏外ですし、静寂をやぶるのは 鳥と 虫と 風ですし・・。

 そして、トンネルを潜って また 人間の世界? に出ていくわけです。 

 国道に出て、日本海を見ながら走り
 中国道を爆走し すっかり 人間世界・京都に到着しました。
 仏法では、法を きく事を ( 聴聞 ) といいます。      どちらも ( きく ) ですが、耳を澄ませて きくのを ( 聴 ) 。 きこえてくるのを ( 聞 ) 。      聞こえてくるところを 聴く。   

いま、鳥も 虫も 風も いるのでしょう、あるのでしょうが 聞こえません。   耳を澄ませて探さなくては。

  18日から 島根・西蓮寺に帰っています。
7月の法座の前準備として。      ご門徒・信徒の皆さまに 年4回、 封書で法座案内をお出ししています。
この度も 書斎中に墨を乾かす封筒が 舞い踊っております。  作った文章を印刷して、さあ これから 折って畳んで 封筒に入れて、糊で止めて お配りくださる地域に分けて 遠方には切手貼って・・・・ああ そうだ。   アチコチの掲示板に張る <振れ書き> も筆で書いて 10枚ほど用意しないと・・・
 ひとりで 大童しているところに、たまたま?総代さまご夫婦が 見えました。    これを逃す私ではありません!

   『 いや~実に いい所に来られました! まあまあ 上がって。 今 コーヒーを点てます。 』

 応接室に招き入れる その手に乾いた封筒と 案内状文章と 糊が握られていたのは もちろん です。

 結局 2~3時間 お手伝い頂きました。  『 いや~ご縁ですねえ。 』 って。
笑いながら お手伝い頂きました。

 外は しびしび 雨模様。
       濡れた瓦が 白く光ります。     時間は ゆっくりと 流れます。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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