昨日は久々に 京都芸大の日本画研究室を訪れました。 室の前の通路にしゃがみ込んでいる6~7人。
紙を沢山並べて墨と筆・・・刷毛やスポイトで なにやら不可思議なモノを描いて 頷き合っておられます。  画のような 字のような 何者でもない様な・・・。      『 ああ、これ。 小学校の子供達に いかに<墨>に親しんでもらうかの試しです。 』       中におられた先生が仰いました。   なるほど。

 夕方、頼みたい仕事があるから 来てくれと、声をかけて下さったお方のところへ。  ・・・電車で。
そう、一杯 出てまいりました。   素晴らしい予知能力です。


主が書いて貼ったもんです。      すでに先客が 一杯やっておられましたが、 『 ええ文句やろ? 私が考えたんよ。 』      訪ねて来る友人の笑う顔を想いながら 楽しく書かれたんでしょうねえ。  皆で この文言について ひとしきり 語り合います。      『 あれ? 後ろにも? 』    『 そうそう。 これがまた大事なんよ。 こう言っとくと、奥さん あんまり怒らんのよ。 』     ・・・・・皆さん、二度三度頷かれます。 なるほど。

 昨夜 走って 西蓮寺に帰って参りました。   昨日も今日も 風の強い日です。 杉が多い裏山は 山そのものが動くが如く揺れています。  朝 箒で掃いた縁側は、なんのことやら・・・・。  庭は ありとあらゆる葉っぱが飛びまくっております。
 そんな中でも < どこ吹く風 >の強い奴。
優しそうな顔して なかなか・・・。 近づいて見ると、なるほど 芯の強そうな。  おそらく こんなに アップで見つめられた事はないでしょう、ここでは。    『 なにか? 』   とでも言いたげに。
 え~と、坊主なのに 風流が足らず 草花に不案内です。       < 金子みすず > さんに < 草の名 >という詩が。

    ひとの知ってる草の名は、    わたしはちっとも知らないの。
       ひとの知らない草の名を、   わたしはいくつも知ってるの。
           それはわたしがつけたのよ、  すきな草にはすきな名を。
     ひとの知ってる草の名も、    どうせだれかがつけたのよ
        ほんとの名まえを知ってるは、   空のお日さまばかりなの。
           だからわたしはよんでるの、   わたしばかりでよんでるの。

  名前はとても大事ですが、わたしの名も 誰かに付けて頂いたものです。(親ですが)
人でなくとも、廻りを見渡しても み~んな 誰かに付けられた お名前です。  願いが込められてあったり、性質や見た目であったり・・・。     自分で名乗った名前って・・・・自分のもつ願いと 働きを < 名 > として 名乗った名前って・・・。    思いつくのは < a-mita  > かな?

   そんなこんな 思いながら、 さあ。

 『 この色で。 』 と頼んでいた 表装裂地反物が出来上がり、届けて頂きました。  

ひとつの文様柄が 15cmと 迫力ある裂地です。  とても 綺麗です。 未だ 何の作品に・・という予定も当てもないのですが、美しさに 手元に置いておきたくて 織ってもらいました。  少々高価にて、一反は頼めず 半反で・・と無理を聞いてもらいました。

 裂地屋さんが たまに やって来られます。
『 こんなのがありますよ。 栗山さん好みじゃないですか? 』  ・・・確かに。 よく ご存知で・・。
『 これなんか まあ、普通の表具屋さんは使われませんよねえ。 栗山さんくらいでしょうねえ。 』 ・・・うう、煩悩が刺激される・・。

 ありがたい事なんです。 私の事をよくわかっていてもらって 楽しむように色々見せて貰えて。   断っても 怒らないし。   ただ問題なのは、この先 手にした裂地を使わせて貰える<作品>と 出会えるかどうかって事で・・。
  そうでないと ただの <裂地収集家>として 家内に睨まれるだけですから。
 
この裂地、裏も いい感じなんですよ。   たまに 裏を表として使う事があります。    『 裏を使うなどと そんなのは 邪道だ! 』  と怒る方があります。   いいんです。   怒る方は、なにを言ったって 何を やったって・・・。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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