降りしきる雨の中、父・前住の三回会法要が始まりました。
ご案内は出したものの、どれだけの方がお参り下さるか・・・と家族で心配しながらの朝でありました。 なんと、本堂に 70人近くの方々。 山奥の小寺・西蓮寺にとっては 満堂です。
父が大事にしていた この本堂で 一日かけて、客僧・弟・私の三人の法話を繋ぐ <法座> のかたちをとって 父の法要とします。 聴聞する事が 最も父の法要になるとの思いから、ご案内状に そう書きました。

この山奥の寺でジミチにお参りし みなさまとのふれ合いを大事に お寺を守り、田んぼ・養蚕・出稼ぎしながら・・ 何度も大病に会いながらも ジミチに ジミチに 丁寧に生き抜いた父でした。 姿が見えなくなって丸2年経っても これだけの方々が・・・そして お勤め <正信偈>の大音声。 身体が震えるほど響き渡りました。 通夜の夜の時も 大阪の義観おじが 言っておりました。 『・・ いやあ~・・・今晩のお勤めには 感動した。 あんなに沢山の人が あんなに大きな声で あんなに正確に綺麗に揃って・・・。 兄さんの長い間の教化の深さを感じて 涙が出て 止まらんかったで・・。 』
あの夜を超えていましたよ、おじさん!
そして、弟のご法話を聞かせて頂きながら 『 親父は こんな思いで 俺の話を聞いてくれてたんだろうなあ 』 と。
その父に会えました。

台所や会場本堂で 汗かきながら大勢の方にお手伝い頂きました、それも にこやかに。
一夜明け、片づけに大騒ぎし 長岡京の冴子おばと 家内を乗せて 今、弟が帰って行きました。
『 大満足じゃったで、この法事! 』 の 言葉を残し。
< 第8回 現代日本画の試み展 > 7月5日からですが、明日 夕方 搬入です。 いよいよ。
いよいよ・・・・何が いよいよか? 軸装出来上がって 納めるまでの軸が我が家に滞在しているんです。
5幅はお渡ししましたが、まだ5~6幅を 明日 画廊に持参し納めます。 大事な軸は、出来上がったらなるべく早く納めたいもんです。 火事とか 何とか、何が起こるかわかりませんから。
しかし、掛けられる様に出来上がっても そこから まだ 一仕事、ふた仕事 あるんです。 掛けて しばらくして巻いて しばらくして 掛けて しばらくして巻いて・・・・・ 掛けていて曲がりや反りのクセが出始めると、 巻いて見たり 裏を擦ってみたり・・湿度の国・日本に耐えうるモノに 躾けていく作業時期が必要です。 躾がある程度終わってから 納めるわけです。 ここで時間がかかるわけですね。
そして又しかし。 預かっているものです、 出来上がったなら 早くお渡ししたいです。 今回も 躾けながら ドキドキしながら 明日の納品・搬入を待っていたわけです。
明日、会場に掛かるのを見終えたら 明後日から 島根・西蓮寺に9日までいる予定です。 ホントは ずっと 会期中、いらないと言われても 会場にいたいんです。 ようは無くともいたいんです。 見つめる人を見つめていたいんです。 ・・・残念です。



