昨日からの障子張り、2日がかりで 今 やっと・・・終わりました。
片づけ、掃除機かけ・・・・え~い! 汗かきついでじゃ。 そこら中 きれいにしてやろうじゃないか!
      脳の中の何かが 私を動かし続けます。      それも 今 終わりました。  < あしたのジョー > のラストシーン状態です。

 昨日の夕方、本堂で大汗かいているところに 隣のおばさんがやって来られました。 早めの盆休みで帰省してた娘さんを空港まで送って、畑仕事着に着替えておられます。  『 朝から大汗かいてガンバってる知浩君に 良いものあげよう。 』  おお!  冷えた ビールです。  礼儀です。 もちろん その場で プシュー!

『 昨日は めずらしい お漬物、ありがとう。 』  いつもお世話になっていますので、お土産を持って行っていました。   『 いえいえ、カボチャの漬物ってめずらしいでしょ? 』     『 めずらしいねえ。 きゅうりと茄子のは、美味しそうって言うから さっき 娘に持たせたわあ。 よろこんどったわ、ありがと。 』 ・・・・・・・・

 いつの時代も、どこでも < 親 >って そうですよねえ。
美味しいものでも、めずらしいものでも 『 わたしはいいから、あんた食べなさい。 』    食べ物でなくても、洗剤でも トイレットペーパーでも やって来た娘に持たせて・・・以前、京都に < うちは 娘の家のストッカーじゃないんやで。 >
と、母娘の様子を嬉しそうに見ながら 苦笑いしてたおじさんがおられました。

 なにせ この度は、お漬物を 喜んでもらえた様で 嬉しく思いつつ。    ナスの身になってみたら。
あの ナス、京都から 500km走ってきて えらく遠いところまで来たなあ・・と思っていたら、次の日 飛行機に乗って東京まで 1000km・・・。  さぞかし 驚いている事でしょう。   いや、< 親 >の思いを感慨深く 噛みしめているでしょう。

 

 

 などという言葉を思い出しながら、障子張りです。     朝から尋常でない暑さにて、体中の水分が汗で噴き出すのを感じながら、40枚分を剥がし ゴシゴシ洗います。  今回は、本堂後ろの客僧用座敷や 人目に触れにくいので見ない事にしていた庫裡の後ろのほうの部屋に着手・・・・止めとけば良かったと思いつつ。

 黙々と単純作業をすると、色んな事が頭の中で踊り始めます。 昨日の事・明日の事・あの人の事・この人の事・・。
 タイトルの しょうもない < ことわざ >?まで浮かんできて、ついでに 子供達の昔話を思い出しました。

 3歳くらいになると、お風呂で < ことわざ >を教えて遊んでいました。
『 サルも木からおちる。 あんなあ・・木登り上手の おサルさんでも、失敗する事があるって事やで。 言うてみ。 』   ・・・ 『 サルも木からおちる。 』   『 そうそう。 おんなじ意味で <弘法も筆の誤り>ってのもあるんやで。 言うてみ。 』 ・・・ 『 こうぼうもふでのあやまり。 』    『 そうそう。 じゃ、次。  犬も歩けば棒にあたるって言うのはやなあ…… 』              

 ひとしきり教えた後、いよいよ 試験です。   さあ、うちの子は賢いか? はたまた 天才か?

 『 憶えてるかなあ? 言うてみよか? まず、 < サルも >? 』 ・・・『 木から落ちる。 』
 『 そうそう! ( やっぱり 天才か、うちの子は ) じゃ、< 弘法も >? 』 ・・・『 木から落ちる。 』
 『 あれ? じゃ、< 犬も歩けば >? 』 ・・・『 木から落ちる。』

    ・・・・・・・・・・うちの子はフツウの子でした。

 でも、フツウの子は 色々楽しませてくれます。
 『 馬の耳に、うさぎの耳。 』  『 急がば、いそげ。 』  『 猫に、こんばんは。 』 
数々の名言で、笑わせ・うならせてくれた事を 思い出させてくれた 暑き障子張りでした。

 先程 本願寺に行きましたら、 黄色いポロシャツを着た職員の人達が 忙しく走り回っておられました。
『 何ですか? 今日は。 』    『 盆踊りの準備ですよ。 ほら、毎年 北駐車場でやってます アレ。 8月1日なんです。 』   あ~ありましたねえ。

 私は行った事が無いのですが、ヤグラを組んで賑々しくされているとの事。  数年前から娘は行っているので ( お手伝いに・・今はもう ただのお客さんかな? ) その様子は聞いていました。  本願寺職員の方々も多数ユカタ姿で参加されていて、なにより 御近所の方が 楽しみにされているとか・・・。いいですねえ、お寺で楽しい行事!

 準備の皆さんは大変です、今日も暑いです。  警備班・救護班などにも分かれて裏方仕事の様子、御苦労さまです。   夏盛り。

 扇面に 菩提樹の葉。        爽やかな色合いで装ってみました。
 暑い時には、涼しげな軸を。
  そう言えば、ずっと以前 インドに行かれた方に 菩提樹のお土産を貰ったはず・・・どこかに 仕舞いこんだまま・・・・ありました、ありました!  菩提樹の葉を < 葉脈   >だけにしたものです。 お釈迦さまが 世と人間のあるがままの真実に目覚められた < 悟りを開かれた > のが 菩提樹のもとであったので、仏教では この樹は< 特別な樹 >です。   しかも この葉脈、インド・ブッダガヤ<  まさに お悟りを開かれた場所 >のものとの事・・・・・・・・・どっかに 忘れていたとは・・申し訳ない!

よ~く見ると、葉脈が 人間の中身・・骨にも見え、血管にも見え・・。
< お前も肉を落とせば やがて こうなる >  と言われている様で、お蔭で 少し ヒンヤリ涼しくなりました。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

Copyright © 2010 Sairen-Ji Temple. All rights reserved.