京都に向かって走る中国道。  岡山の山奥、≪ 勝央 S・A ≫ 午後1時すぎ。
昼寝するこどもに遭遇。

 どんなに近付いても、耳を ピクっとするだけで起きる様子なし。      やさしい人達に囲まれて安らかに暮らしているんでしょうねえ。

 この間見た野良猫は、悲しかったです。 飛び逃げてこちらを振り返ったその目・・。
おびえと疑いの暗い目を感じました。  見ているのが辛くなるような・・・。 きっと大変なめに遭ってきたんでしょうが。

どうか この子の目がやさしく光り続けますように。
 

16日間島根に居りましたが、明日から3日間京都です。 
むこうでやらなければならない事、出向かなくてはならない所が山積しております。
今日は海の近くの、尊光寺さまの報恩講。 帰ってから移動準備です。

 掛け軸を掛け替えておこうと、ゴソゴソしていたら 懐かしい画が出てきました。

 10年前、京都で≪ 真宗寺院に伝わる 聖徳太子 展 ≫なる催しに企画参加していた時。 『 太子の幼少の頃の画がほしいなあ・・。 栗山君、描いて軸装しておいてくれよ。 』
『 そうですねえ、あった方がいいですよねえ。 』

で、軽い気持ちで描いてしまいました。 人さまのお目にふれたわけです。
何も知らないというのは、こわいものですよねえ。  いや、恐ろしや恥ずかしや・・・。
 しかし、こうして我が寺に掛けて ひとり ジッと見る分にはいいもんです。  『 ほほう。 中々じゃのう。 』

    これぞ、≪ 自画自賛 ≫。

 元気な女の子2人と、お父さんお母さん。 報恩講のお参りです。
これまた元気いっぱいに 正信偈のお勤め、上手ですよ。
  お勤め終わると、よりいっそう元気になりました。    『 ケーキ、ケーキ!』
小1の妹ちゃんが、お母さんのお手伝いをして そろ~っと運んで来てくれます。   コーヒーにケーキ。

 みんなの分を座敷のテーブルに、何度も通いながら 上手に置けたら一回一回喜びながら。
いいですねえ。   報恩講とお坊さんと美味しいケーキが一緒の思い出になってくれたら嬉しい事です。
  そう、おじいちゃんおばあちゃんのお家での報恩講に来てくれた時も ケーキだったもんね。
みんなして、お参りを楽しいように迎えて下さっているんですよね。

      『 ガっチャ―ン! 』

 あれ?・・・・・どうした?       ・・・・どうやら、最後に運んでた自分の赤いケーキを ひっくり返して落としたみたい・・。           すっかりしょげ込んで テンションの下がった顔で入ってきました。

 お手伝い失敗したのと、一番楽しみにしていた大事な大事な赤いケーキが グッチャリになったのとで・・・。

 『 大丈夫、大丈夫。お母さんの分けてあげるから。』 『 お父さんのも 分けるよ。』 お姉ちゃんも分けてくれました。   よかったねえ。  ほら、だんだん元気になってきた。

 ちょっと失敗したくらいどうって事ありません。 笑って励まして、分け合ってくれる大事な大事な家族がいるって事が分かっちゃいました。 落としたケーキより大きなケーキになってるよ。   帰るころには、すっかり元気。
 また、お参りの時にはケーキをお願いします、お母さん。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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