どなたの作品でしょう?
   おそらくご存知の方の多いお方の作・・。   おわかりの方あるでしょうか・・?

実は 私もこのお方の こういった描き方のものは、はじめてお目にかかりました・・浅学の恥ずかしさ・・。
  裏打ちのみでもいいですか?とお持ち頂いたものです。
軸装に・・との作品もありました。  

 『 裂地はこういった色で、ここをこうして。 』    『 はい、なるほど。 分りました。 』  メモします。
 
ひと通り打ち合わせした後での2時間ほどの色々なお話は、実に楽しく深く。  世間話など入る余地もなく、画の話・ものの見方・受け止め方の話へと・・・・。    お酒が許されれば もっと楽しかったでしょうに、残念・。

 『 ・・ちなみに 栗山さん。  この軸装 おまかせします・・と言ったらどんな感じにされますか? 』
 『 そうですねえ・・。  ここをこの色で ここをこうして・・。 』
 『 う~ん・・・・そうですか・・・そうですねえ・・・・それでお願いしましょうかねえ・・。   う~ん・・。 』

 わたしの軸装作品を沢山ご覧になってのお方。       
5月に一日だけの展覧会をされるとの事。        『 え~!  そのために DM出されるんですか? 』 
    『 ええ。 』       『 ええ~! 』    と、驚きつつ。

 『 栗山さんにおまかせすると、栗山カラーになってしまうから 敢えて そうならない様にこうして指定しているんですが・・・・。   う~ん・・・。 』
 そんなこんな言いながら 私のところへ来て下さっている事に感謝しつつ、
       なにやら私にとっては 嬉しい事を仰って下さっています。 喜んでいい所ですよねえ。

 『 ・・・そうしましょう! それでいきましょう。 それでお願いします。 』 と。

 どちらにしても楽しみな仕事ですが、そうですか・・これでいきますか・・。
              いやあ~、出来上がり 楽しみ楽しみ! 

 




 

  今どきの頭姿。  20歳の息子。 ・・・まあ、なんと申しますやら。
 かく言う私も 学生時代は肩まで髪をのばし前髪が目にまで届き、坊主界の < 中村雅俊 > と言われていました。  ( たぶん。)        色々な髪形に神経を使う時期があったお蔭で 今はまったく なんの頓着もありません。 あろうが無かろうが、ぬけようが 落ちようが・・。

 さて、この今どきの青年が 明日から < 得度習礼所 > に入所します。  京都・桂の本願寺西山別院内。
本願寺派の僧侶となる為、11日間の研修 ( あえて修行とは申しませんが ) を受けてきます。
これがまず、第一歩です。

 思えばもう30年前になります、わたしも入所し 僧籍を頂きました。
たった11日間とはいえ、辛く長い日々だったことを思い出します。  特に膝が崩れそうになるほどの 長時間の正座が・・。  試験や課題に追われ 睡眠時間も少なくて。       しかし、今にして思えば厳しい指導の日々は宝のような日々でした。

 この青年には、前知識はほとんど教えていません。  うまく過ごすより、出来なくて叱られたり 知っていなくて恥ずかしかったり 解らなくて悔しかったりを存分に経験してきてほしいものです。  あとで恨まれるかもしれませんが。

そこで、断髪式。
とりあえず 一枚刈りで入所です。  折角なんで、遊びながら刈ってみました。 そして とうとう つんつるてん。  はっはっは~。 ( 大笑 )
             まあ、がんばってこいや!

 

   湖東三山の一寺・金剛輪寺 ( 滋賀県・愛荘町 )。
あるお方のおともをして行って参りました。天平13年 (741) に行基上人が開かれた古刹です。 広い敷地の中を歩きます。 包む小雨、土の香り 苔の香り 石の香り・・・。  紅葉の時期は さぞかし美しい事だろうとも想いながら・・。

 天台宗の宗務総長を務められた濱中光礼住職とお会いし色々なお話をお聞かせ頂きました。   とある大きな事が決まる瞬間に末席で立ち合わせていただきました。  ああ・・こういう事を大事にお考えであるのか。 なるほど・・ と 。      

 しばらくして 『 え~と、あなたは表具屋さん?  うちには出入りのところが幾つもあるからなあ・・。  』   
それはそうでしょう、数年前 800年前の曼荼羅を大修復された事はニュースにもなりました。   
  わたしも仕事をいただきたくてやって来たわけではありません。   
 『 存じ上げております。 滋賀には腕のいい表具屋、表具師が沢山おられる事も存じております。 』  ・・正直なところです。

 帰り際、『 これを 軸にしてみてくれるか? 』 と頂かれていた <絵手紙>
を手渡されました。 『 表具をするひとは何人もいるんだがね・・。 』 と笑いながら。

 ありがとうございます。  今日のご縁、楽しみながら表装させて頂きます。  栗山が預かったかぎりは
    『 ほう・・。 』 と言われるものに仕上げてお見せします。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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