古い書軸の修復を依頼される時、同時に頼まれる事があります。

 『 何と書いてあるのか? 誰が書いたものなのか? 調べて教えてください。 』

 ・・・簡単に言われますけど、私 いたって浅学の身にて、困る事が多いのです。   そういう時、頼りになる師匠のところに走ります。

 これなんかも、何という方のお名前か・・・・?・・・さっぱり。

師匠は丁寧に、< 書体・くずし字辞典 > を広げて 『 ほら、この字は ここに出ている。 』 と、さし示しながら
時間をかけて教えて下さいます。    ただ読むだけでなく、そこから 色んな事に話題を広げてお話して下さいます。       ちなみにこれは ≪ 韓 玉林 ≫書 。   ( 書、は 解るんですよ。  さすがに。  一緒に読もうとして下さるので、くずされた字も 少しずつは読めるようには・・・いや、また 偉そう病が。 人によく見られたい病が。  お恥ずかしい。 )

 ≪ 臣玉林印≫ と ≪ 昌黎韓氏 ≫。 100年位前のお方。

 ≪ 士不可以不弘毅 ≫ であるとの事。

師匠、またまた何処からか 分厚い本を持ってきて 『 ほら、ここにある。  中国宋代の儒学者・朱熹の言葉やな。 』     『 して その心は? 』

 『 もののふは、全てが 度量・意志が強いというわけではない・・・・っちゅう事かな。 』

     師匠、くれぐれもご自愛頂き・・・長生きして下さい!    また、困った顔してやって来ます!


 

 ≪ みやこメッセ ≫ にて。
数十ヶ廊の画廊・古美術廊がブースを設けて集いました。

 普段は付けておられない値札を置いての展示でした。  わたしでさえ知っている方々の名のついた作品が、ジックリ見てまわるには苦しいくらいに・・・・・。     ( 名はどうあれ、ほう・・と思って下の札を見ると おお・・とビックリする名と値札が・・。 という事です。 )

 其処らへんはソコソコに、今日の目的・なにより行きたかった ≪ 京都芸大ブース ≫ へ。
今までだったら ( こういう ) 会には参加されないであろう所が 参加されたんですから・・。 ( かな?)

日本画 ( ・・この言葉の持つ難しさは 井上君から勉強中ですが。 ) の先生方の作品が並びます。
その中に正ちゃんの≪ 地蔵菩薩・模写 ≫ ( 正垣雅子先生・和服でバツっと決めてましたね。 カッコよかったですよ! )、栗山が額装したのがありました。  二人で苦労したんです、インド古裂をアシラッテ。    ねえ・・・。         悩んだ時間だけ 良い モノになりましたねえ。  好評だったとの事、実に嬉しいかぎりです。

 それもともかく。
川嶋渉先生指導の < 日本画体験 > イベントの見学もできました。

実に楽しそうな参加者のお顔が印象に残りました。  ・・栗山も また 描いてみたくなる様な・・。
     海の向こうで画を教えておられるというお方・・、どうですか?

先生の< 画材コレクション >も。
 宝石をゴリゴリ磨るところからされていましたが、<緑>の色を出すにも、こんなに種類が分かれていて、これをまた 組み合わせると無限に広がるんですねえ・・色の世界は。

   < 見る > 楽しみが増えました。   ・・などと偉そうに。  

合い間に、以前から少々お知り合いの先生ともお話しながら、会場の知人とご挨拶を交わしながら。
    沢山の人の中で、笑顔で 「 おひさしぶりです! 」 って言い合える事の嬉しさを実感した日でもありました。

  < 挨拶 >って人を元気にしますね!
 

 夕方 京都到着。

『 帰っとんさるんだったら、美味しいのを 持ってきますで! 』
 この度の 西蓮寺帰還中にも < アジ >のタタキや、フライ・コロッケ・・etc      頂きました。
いや~美味しかったですよ!     浜田で獲れた < アジ > は今 < ドンチッチ アジ > と言うんだそうです。      ドンチッチ・・・・知る人ぞ知る単語。 

  初収穫の ピーマンも持ってきて頂きました。 中には < 双子ピーマン > も。 ん~実に強いピーマンの香り。

 『 今年は良う出来た。 持って行きんさい。 』 母の生きがい・お寺裏山の畑で獲れた < ジャガイモ >。
                     これは、あれでしょう。    お湯を切って鍋を振りに振って・・・小学校の時 蓋を開けてビックリ感動した < 粉拭きイモ > 。

  えっ?   作りますよ!  私。   絶妙な塩加減に 自信あります (笑) !
 

 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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