8日・9日と益田市・明顕寺さまの ≪ 仏教婦人会巡回法座 ≫ のご縁を頂きました。
お寺ではなく、二日で3ヶ所の会場での法座です。
教堂であったり、集会所であったり・・。

 それぞれに心をこめたお荘厳を拝見いたしました。
仏壇のない集会所には、ご住職が本尊掛け軸を持参掛念されます。

 今回はテーマを頂いておりました。 < お荘厳・作法・・そのはじまりと謂れ等 >        こだわらず、話したい事を話して下さい・・との事でした。

 事前にみなさんからご質問を頂いておりましたが、途中 『 さて、何かお聞きになりたい事はございますか? 』
      と、言ってみても どこでも中々手をあげる方は・・・。

 『 演台に立っていたら、お話しにくいんでしょうねえ。  ・・・・いっぺん、ここに座ってみましょうか? 』
            と、みなさんのまん前に座ってみると、笑いながら 『 じゃ、ひとついいですか? 』
    『 こんな事、聞いていいもんかどうか・・。 気になってたんですけど。 』
         『 お通夜に行く時なんですけど・・。』

 沢山のご質問をいただきました。  高くて遠いところから話すのでなく、同じ場所で、しかもすぐ近くに座る・・・という事の大事さを あらためて感じました。   なごやかになごやかに≪ 法座 ≫が進んでいきます。

 わたしの学びでもあります。   ありがとうございました。

 西蓮寺に帰山途中、大田市大代町の明円寺さまに立ち寄る用あり。

地図で最短距離を調べると、中国道≪ 三次 ≫IC を降りて日本海側・大田市に向かう道が。 ( みよし・・と読みます )  ICを降りて、中古車に付いていた古い< カーナビ >の言うとおり走り始めると、ドンドン細い道へ・・・。

 鉄道マニア好みの≪ 三江線 ≫が走る川沿いの道。   一台が走る幅のみで、対向車が来るとどちらかがバックしてすれ違いながら・・・。    来るなよ、来るなよ・・と願いながら、心臓に悪い走り。    すれ違うドライバーの目が、『 なんで お前がこの道走ってるんだよ。 』 と言っています。

 途中、我慢できず< カーナビ >に謀反をおこし、川を渡って違う道へ。
少々反対方向へ走って、やっと 安心できる道発見。    
    ・・・『 道の幅も教えてくれよ・・。 』  と言いながら、約束より1時間遅れで到着。  すみません。

 『 どの道で来られました? お教えすれば良かったですねえ。 』
穏やかなご住職、綺麗な坊守さま、『 こんにちは!』と次々挨拶に来てくれる元気な子供さん達。
    庫裡から見る緑溢れる庭、『 舞台ですねえ。 』と言葉がもれた≪ 浄土変相図 ≫のような本堂。

 しまった。     何一つ写真を撮らせて貰っていません。
 

 

   『 浄土曼荼羅 』。
『 観経曼荼羅 』・『 当麻曼荼羅 』とも呼ばれますが、正式には 『 浄土変相図 』 です。
   浄土の様子が中央に描かれ、その回りに ( 浄土を観るさまざまな方法 ) や、( 仏の世界から見た、人間のさまざまな姿 ) が、細密に描かれてあります。
 『 仏説観無量寿経 』に説かれてあるところを画にしてあり、その経文も書き込まれてあります。
                      浄土の仏方、蓮華中に生まれる姿、そして浄土に生まれた いのち を歓迎する踊り・・・。

 

 洗いをして表面の汚れを取り去り、 裏打ちして折れ痛みを修復すると、より一層鮮やかに。 やすらぎの世界が。

 本当にこのまんまの浄土があるかどうかで無く、この画で この経典で私に何を伝えられてあるのか・・が大事な事は分っています。

 ですが・・・。     本当に こうあってほしい・・と願う時があるのも正直なところの私です。
   近しいひとの ≪死≫ に直面すると、より強く感じます。
 
 全く恥ずかしいことです。 全てのいのちを等しく感じているとは決して言えません。 
              恥ずかしい事です。                 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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