『 栗山さん、仏さまってなんですか? 』 で、始まったのか。
 『 井上くん、仏さまの姿ってね・・。 』 で、始まったのかその始まりは憶えていません。

 とにかく二人して≪ 仏さま ≫・≪ 仏さまの姿 ≫・≪ 仏さまのお名前 ≫・≪ 仏さまの願い ≫
・・・随分色んなお話を重ねた様に思います。      杯、片手に。
わたしは酔って憶えていなくても、彼は憶えていて自分の中で咀嚼していたんですねえ。
 ある日 『 作品出来ました。 』 と見せてくれて、 『 ?? 』 と思いつつ説明を聞いて、軽く鳥肌が立ちました。
                    QRコードっていうんでしょうか。
携帯電話等をかざすと情報が読み取れるんです。  この中に情報が入っているわけです。
     銀箔を焼いて複雑な色にして、それを箔押し。      で、なんという情報が入っていると思います?

 なんと ≪ 南無阿弥陀仏 ≫ という文字が顕れるんです!
つまりこの軸は、≪ 本尊 ≫です。     そして、この不思議な表装の形は彼のリクエスト。
 日本の仏表装の源流、チベットの ≪ タンカ ≫ の形です。 

 仏教は偶像崇拝の教えではありません。   像そのものを 有難く礼拝しているわけではありません。
彫られた像・描かれた絵像・仏の名前を文字で書かれた名号・・・それによって現わそうとされてある≪ 世界 ≫、現わそうとされてある≪ 願いそのもの ≫に手を合わせています。

 ≪ 世界 ≫も≪ 願い ≫も形には表わせません。   形もなし、色もなし、こころもおよばず、言葉も絶えたり・・・あえて喩えるなら ≪ ひかり ≫ そのもの。
   ≪ ひかり ≫ は見るものでなく、わたしにモノを ≪ 見せる ≫ はたらきです。
         いくら目が良くても、ひかりがないと何も見えません。
  自分では見えようがない私の有り様を あきらかに知らせる ≪ ひかり ≫。
       その世界に手を合わせています。

 ・・・・・・・・いつも目に見慣れているあのお姿だけが、仏さまではありません。
  画も文字も記号です・・と言ったら乱暴でしょうか。

  この ≪ コード ≫ も 伝えたい情報が一緒であれば、ご本尊か・・・・・と、鳥肌が立ったわけです。

 しかも、『 何、これ? 』 って、若き子が ピって調べて 『 へ~。 』 って言うのを見ました。
 坊主として嬉しく見ていました。    こういう接し方もあるのか・・と。

   ひょっとして、何かの縁につながるかも・・・ないですか?
      何もないより、何かはある可能性はありますよ。 

 で、この軸も掛っている ≪ 第9回 現代日本画の試み展 ≫・大阪巡回展 in 壽光寺。
11月25日まで開催中です。 (地下鉄四ツ橋線玉出駅2番出口より東へ徒歩7分) 

 15人の画家の作品が並んでおります。   ・・・それぞれの作をここに出してひと言 コメントしたいのですが、了解を得ていませんので・・・・。    あしからず!

  京都・桂駅から車で山を目指し、臨済宗・福成寺へ。
老師は春から滋賀の永源寺に移られるので、ここでは最後の ≪ いも煮会 ≫。
              

 雨でどうなるかと思っていましたが、沢山の方が集まって来られました。    山形県から取り寄せられた材料・お酒・・・・

 何枚も写真を撮ったのですが、しだいにピンボケばかりになって・・なぜでしょう? ひょっとしたら酔ってきたのかと思い、浅野先生と二人 ちょっと席をはずし本堂にお参りに。

   凛とした空気。   窓に近づくと雨の音。 

日々ここで座しておられる。 
                          しばらく静かな時間を頂き、またすぐピンボケの世界、裏山に登っていきました。   『 よお、どこ行ってた? 』

  益田市・美濃地町の東光寺さまへ、報恩講のご縁で。
真宗大谷派( 本山・東本願寺 )の寺院、控室に聞こえてくる 『 正信偈 』聲明 は本願寺派の節廻しとはかなり違っています。   勢いがあるというか、一行一行に力強さを感じます。  筆を取られた聖人の力強さを感じるような・・・。       

 数年住職不在、寺族不在の寺院との事。 それでも、いや ひょっとしたら、だからこそ 『 わしらの寺を潰す訳にはいかない! 』 『 わたしらで護りあげる! 』 
     法中方と終始穏やかにお話・接待されている80歳になられる総代さまはじめ、皆がみな明るくにこやかな台所のご婦人衆・真剣なまなざしで聴聞される、男性が沢山の本堂・・・思いは何となく伝わってくるものです。

 来年には新しい住職を迎えられる運びとか。
報告される総代さまと、聞いておられる皆さまのお顔が印象的でした。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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