『 仏心 大慈悲是也 仏説観無量壽経 』 
     とあるお方が、本願寺・淨書の白石氏に依頼して書いて貰われたものを軸装にとやってきました。

 『 仏心 』 だけの書は今まで色々な方のものを表装しましたし、宗派問わず沢山目にしてきました。
その横の書が実に真宗的というか、念仏的というか・・・。  言葉がより深まり、この軸を掛けてご法話が出来そうですね。 裂地も復元織という深みあるいい裂地です。

 今日、本願寺に持参した折、白石氏と色々話すうちに 『 この書体でも書いてはみたんですが・・ 』  
 ・・・ 『 同じものでもこれなんかは・・。 』   と、仕舞いこまれていた何十枚もの書が・・。

 そうなんです。  どの先生方も依頼された方に手渡されるのは一枚でも、その一枚のために書かれた 誰にも見せない何十枚があります。  表装に携わっていると、その隠れた何十枚に出会う事があります。

 『 ほら、こんなに何十枚も書いた内の一枚なんですよ。 』  などと、決して仰いません。  どの先生方も。

   ・・・・・わたしなら、言いふらしそうです。  おはずかしい。

 3月2日にお預かりした≪ 絵てがみ ≫の軸装・・・やっとお届けしてきました。
    滋賀・湖東三山の一山、金剛輪寺 ( 天台宗 )。    桜の時期も行かず、紅葉の時期も行かず、今日も前回と同じく葉を身に着けていない木々の間を登って行きます。

 濱中ご住職 ( 天台宗宗務総長を勤めておられただけあって貫禄十分・・ ) には表装を喜んで頂いたご様子。    一安心しながら2時間ばかり、画や書のお話をご一緒いたしました。     帰りにはお酒のお土産まで頂いてしまいました。 ( ・・二升も )  そう言えば、お酒のお話もしていましたねえ・・ははは。      ありがとうございます!

 両手で二升を抱えて参道を下りながら ふと目に入る小さなお堂。
登る時も見えていたのでしょうが、気が急いていたからでしょう 足を止めてもいませんでした。 観光寺院とはいへ 時期はずれの為誰ひとりとして見えませんが、堂内 ご本尊・阿弥陀如来の前には綺麗な立花。


            合掌・・礼拝して山を下ります。

 

 大変お世話になった先生を訪ねて山科へ。
本願寺の≪ 淨書 ≫にて永く筆をとっておられた『 宗吉一水 』先生。
   おそらく 92歳になられるのではないかと思いますが、お元気そうでなによりです。 『 あのねえ、栗山さん。 ・・・ 』 
    先生の昔話・思い出話をお聞きしながら穏やかな時間が流れます。
             帰り際には、 ユックリ ユックリ 歩きながら、見送りに玄関の外まで出て来て頂きました。                また、お会いいたします。  どうかお元気でいて下さい。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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