彼岸会が勤まりました。  前坊守が朝4時から起きて< おはぎ >作りに燃えていました。
 この山奥の小寺に 遠くから30人近くの沢山のご参詣、迎える方としては嬉しい限りです。
( おはぎを作りたくもなるでしょう。・・?)

 彼岸花が咲いています。
田んぼのあぜ道やお墓には 人の手で植えられたものが・・・有毒成分を持っているため、田にモグラや虫が来ないように・土葬だったお墓を動物が堀りにこないようにと植えられたとか・・。
 お墓でよく見かける為か、< 曼殊沙華 >のほかに別名 < 死人花 > < 地獄花 > < 幽霊花 > ・・・
はては < はっかけばばあ >! ( 花が終わって葉が出てくるので、葉が欠けていると・・歯が欠けて・・。 ひどい。 )           『 なんで ばばあ やねん! じじいも歯あ 欠けとるわい! 』
つっこんでもいい所ですよ、おばあさん。

 韓国では < 相思華 > と呼ぶとか。
花と葉が一緒にはあらわれないので、見えない相手をお互いに思い合っているからと・・。
                  う~ん、さすが。

同じものを見ても、名前によって・そのひとが今まで見た聞いた経験した事を通して受け止めるので、随分違ったものに見えてしまうんですね。  わたしが見て受け止めていることが、<ありのまま><そのまま><そのもの> とは限らないわけです。           という事は、わたしそのものも 人さまに<そのもの> には受け止められていない方が多いってことですかねえ?      どうです?

 『 邪見 』 『 有無をはなれる 』・・という教えにつながっています。
 

 5日ぶりに晴れました。 快晴です。
明日は 『 彼岸会法座 』、本堂・庫裡を拭きあげ お荘厳も済みました。

 40分のお話を 4回・・・。    掃除しながら 思いついた事をノートするため書斎に走ります。
『 あ~ このお言葉、あの喩え話が・・・・』   タッタッタッタ~    
  後で書こうと思っていたら、なんだったかな?・・と忘れる事しきり。    そうなってしまいましたから。

 < 鳩摩羅什 > < 空 > < 本願他力 > < 有無をはなる > < 千宗旦 > < 執 > < チューラパンタカ > < 河童 > に < つちのこ > ・・・・ ここに書いておけば大丈夫!

18日から島根におります。 23日は彼岸会、まだ 準備にそれほど忙しくないので 今日は『 裂地裏打ち 』です。   先日、京都の とある画廊主から インド古裂を譲って頂きました。
          十数年前、インド・アジア古裂収集家でもある画家から譲り受けたモノとの事。

 ほとんど18世紀の古裂で、最も古いものは17世紀末の裂地です。 バナレス・サンガ―ネール・カシミール・・・印金・染め・織り・・・様々です。
以前より 良い軸 ( 少々高い表装代? ) の一文字とか、2mmしか見えない細い線に使われてあります。
チラッと見えているのが良いんですね。   高価なものですし・・。
 30cm四方で 数10万で売ってあるのを見た事があります。 ( もちろん、わたしはそんなに高価なモノ、使った事はないです。 いったい誰がどんなものに使うんだろう・・・と、ボ~と眺めていました。 )   ここにあるのはどうでしょう?・・

 これなんかきれいですねえ。

 いいですねえ。

 美しい・・・。

 『 これは、千家の知人が 茶入れ袋にするって言って 切って行った。 』  ・・・ランジャタイみたいじゃないですか!  そう聞くといいものに見えてしまうのが 恥ずかしい・・・。

 この穴は、金属部分が腐食して落ちて無くなったんですね・・歴史を感じます。

 で、一日がかりで裏打ち終了。

さあ、何にどう使うか・・・。  楽しみです。    どうですか、 あなた? その作品に使ってみませんか?
表装代?           もちろん!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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