帰京する途中で地元・三隅町にある < 石州和紙会館 >に立ち寄りました。
今日の朝刊に < ブータン展 >開催中との記事があったもので。

 1987年から三隅町とブータンの交流があるには知っていました。 何人もの方が < 和紙漉き >を学びに来られ滞在されていました。 三隅の手漉き和紙職人もブータンに出向き、技の伝授に力を注いでおられます。
                      産業の少ないブータンに、楮・三椏に近い植物があり 和紙?漉きの可能性を 国が感じられての事でしょう。

 
ブータンで漉かれた紙も数種類ありました。 目にとまるのは チベット仏教で馴染みのタンカです。日本の掛け軸の源流ですね。 裏が和紙でなく、裂地です。
 
これなんか、いいものですよ。( 下写真ですよ )   ビックリしました。 古いものですねえ。 アップも撮影。

経本やお弁当箱、もちろん 衣装もあります。 沢山の方に見て頂きたいですが、島根は ちと、遠いですか・・。

そういえば昨年 国王が訪日の際、東京での晩餐会に三隅町の代表者と和紙職人が 国王からの招待を受けて出席されたそうです。   報道のように < しあわせの国 >かどうかはよく知りませんが、報道はされない事から大事にされているものを感じました。

 昨年の今日は雪かきから始まったと 思いだしつつ迎えた16日。
雪も霜も見えない 穏やかな日です。 

 30人という思いもよらぬ 沢山のご参詣。   お話の為用意したプリントは足らないし、ご飯は炊き足すしと 嬉しい騒ぎ・・。 お昼のお斎も賑やかに < けんちん汁 >。

 この度は 殊の外 美味しかったです。

法話の間休憩では 温かい < ショウガ湯 >と 持ってきて頂いたお饅頭に お供えにと山口から送って頂いた< ウイロウ > 湯気の中に話も弾みます。 写真を見ていて気づきましたが、西蓮寺には初めてというお友達を 2人もお誘い・お連れ頂いた ヨウコさんが写っていませんねえ・・ せっかくのお美しいお姿が。     すみません < ヨウコ>さん!   ありがとうございました。   方々にとって、『 お参りして よかったあ。』 と思っていただけていたら この上なき幸せ。

一夜明け荘厳をとき、いつもの お内陣に・・・・
       ・・・・・これまた いいもんです。  でしょ?

昨日、帰山。  今日は朝から 16日の ≪ 御正当 ≫法座の荘厳・掃除。

内陣打敷を出しているうちに、木箱の底に古い打敷を発見。
 ボロボロで色あせているものの 広げてみると なかなかの味わい。   裏をみると 『 弘化2年 第13世 僧雲 』 ・・・・1845年ですから 167年前のもの。

 
それに 『 第12世 香雲 』 代のものまで・・・。 わたしの代になってはもちろん、父や祖父も出してなかったのでは? いや、祖父は使ってましたかねえ。 ? 。
      明後日は 750回の御正当・・・・・・・ よし!

 『 この度は これら古いものばかりで荘厳しよう! 』

150年前の600回忌の時、おそらく この打敷が一番新しく・一番いいものとして敷かれたにちがいありません。
江戸では水野忠邦が・・なんて時代です。  その当時この田舎でこれだけのものを用意するのに、門徒・住職はどれだけのご苦労があった事でしょう。  そうでなくとも食べる事に大変な中を その上 始末して始末して、辛抱して辛抱して求められたのでしょう。      何十年ぶりかに世に出ましょう。  ご一緒しましょう。

 赤と金の色が多い今のものと違い、実に渋い荘厳となりました。
  パッとしませんか?
  暗いですか?   
 わたしは こういうの、好きです。  破れを少々補修しながらでしたが・・。   いいです!

16日には お話します。  『 みなさんの誇りです! 』 と。

 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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