『 仏教三国伝来縁起 』 とあります。
木版刷りのかなり古いもの。     装丁も非常の古い伝統にそってあります。 今はこのかたちにする事は、まずありません。
             『 善光寺 』 縁起・・・・?

とても細かいですが、よく見ると 面白い場面・・失敬。

 修復終えて納める時に、詳しいお話をお聞きしましょう。

 腰を据えて行かなくてはなりません。

  掛け軸修復していると、何百年も秘められていた言葉に出会う事があります。

 ≪ 親鸞聖人御絵伝・四幅 ≫ を預かる時、その裏書きに 『 寂如 』 とありましたから、本願寺第14代門主の時下附されたものとは分っていました。
 修復をはじめて、軸棒を開いて見ると当時表装された表具師の書付が出てきました。
たまにあるんですが、ここまで文字数の多いものは珍しいです。

 『 正徳3年 』 とありますから、1713年。  300年前の書付です。
300年間、誰にも見られる事なく裂地と和紙に包まれて隠れていました。 もちろん表具師は知っていました、何百年後の修復の時には、その未来の表具師が目にすると・・・・。
 木が枯れて軽くなっていますが、重さを調節して この軸棒を使おうと思います。 八双は、残念ですが痛みが酷いため、新しい物に替えます。  その旨、依頼寺院に伝え 届けるつもり
です。

 この次、修復されるのは100~150年後でしょう。
その時、この軸棒の書付が久々に読まれる事でしょう。

 その時の表具師に恥ずかしく無い仕事をしたいものです。

私の事は何も書き加えることなく裂地と和紙で封印します。

    『 ほら、王貞治さんのサイン入りワインだ。 』
     『 えっ! ホントだ。 』    『 20年ものだ。 呑むかい? 』   
              『 頂きます! いったい何の記念か・・・高そうですねえ。 』

  『 貰い物だ。 ほら、こっちも。 』 『 うわ~。 ・・・で、全部開けるんですか? 』        『 開ける。 』        

    えらい場面に呼んで頂いたものです。    多岐にわたる話題の中を泳ぐように頂きました。
 それぞれ専門分野をお持ちの方々のお話は、その場にいるだけで勉強になります。

    ・・・・とかなんとか言いながら栗山くん。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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