昨日から中々ハードな3日間。
昨日、午前中に京都中京区のお寺へ。  表装の件で訪ねたのですが、いつもながら話題は飛んで飛んで楽しい方向へ。    お坊さんが読経の時打つ <キン> <ケイ> <サハリ> のルーツなど・・。

 古い骨董のような品々を よくもまあ集めておられる・・と感心しながら二人して打ちながらお話を。 以前から < サハリ > の 『 シャラ~ン。 』 という音は好きでしたが、錫の量を多く含ませると この音色のモノになるのだと・・・何でも御存じですねえ。

 打ち物で使用せず、茶の道具にしてあったものもあります。  ひねって、< 華生け > で使われていたオシャレなモノも。 叩けば良い音色なんですよ・・カッコイイ・・。 

 そんなこんなでお昼に京都を出て一路島根に。  途中 『 魚があるよ! 』 の電話をもらい喜んで ≪ ヤッさん ≫ の家にお立ちより。 獲れたてのワカナをおばさんが さばきながら待っていて下さいました。 深く感謝。

 お礼もそこそこに飛び出て、美都町のお寺へ。 到着は午後6時30分。  所用を済ませ西蓮寺、8時30分。

 今日は午前中、ご法事。 三部経の後お食事をご一緒させて頂き一度帰宅。 着替えて、益田のお寺へ。
内陣の御軸の紐が切れて落ちたとの相談を受けていたので、道具・材料を持ってお直しに。

 明日は朝いち七日参りの後、山口県・柳井市のお寺に立ち寄り、そこから京都へ走ります。
        なかなかヤルもんでしょう?         そうそう、≪ ヤッさん ≫ が京都の友人・知人にも食べさせてあげて下さいって お魚を用意して待っていて下さる予定です。 柳井に行く前に寄らせていただきましょう! 
   『 わたしに下さい! 』 って方、すぐご連絡を。    もちろん、 ご自分でサバける方に限りますよ。

  一昨日から帰山しております。
京都にて遅れていた表装仕事をしていた朝、ご門徒のおばさんがお亡くなりになったとの電話があり、2時間後には島根めざして走り始めました。

 81歳。 走りながら色んな姿が思い出されました。
前総代長の奥様として長年西蓮寺を支えて下さいました。
法要・法座の度、朝早くから台所仕事に走り回って頂くお姿。  みんなの話題の中心になり大笑いをされるおばさんではありませんでしたが、いつも静かににこやかにお仕事下さってありました。 

 『 結婚当時、みなさんが忙しくされている法座の台所で、何をしていいのか どこに何があるのかも分らない私に、いつも声をかけて下さったのはあの方だった。 』  
 家内から何度となく聞いていました。
         
      『 若奥さん。 これを一緒にやりましょう。 』  と。

 一昨日夜、当家にたどり着き、本山から頂かれていた法名を見せていただきました。
         < 釋 映 芳 >
はえわたる・さえわたる 芳しき香り ・・・・・ たまたま頂かれた文字の法名かも知れません。 おそらくそうでしょう。      それでも、おばさんのお姿と重なって法名の名をもって教えられている事を感じました。

 そのひとにしか歩めない日々を丁寧に歩んでおられる方には、そのひとにしかない <香り> がある事を。
言葉にされなくとも、その <香り> を感じ自らの中に大事な教えと受け止めるひともある事を。

  < 香り > は、その場所に留まらず広がっていきます。
ひとが踏み入る事のない山奥にひっそりと咲いた <蘭> の香りは、何里もはなれた旅人のところまで漂い、その存在を心地良さと共に教える・・・という話を思い出します。

       お子様方・お孫様方・親族の方々・地域の方々、みなさんに 香りが広がっているでありましょう。

 今 午前10時。  午後、葬儀です。

 1月16日、≪ 御正当 ≫法座 勤修。

氷点下の気温、霜がびっしり降りた寒い朝。  ストーブのまわりに声が集まります。  こんな日、こんな山奥にお参り・・。  朝9時30分から正信偈のお勤め、お昼までに40分のお話を2席ご聴聞。  お昼にみんなで ≪ けんちん汁 ≫ を頂いて午後1時30分から正信偈のお勤め、4時までに40分のお話を2席ご聴聞・・・。

 とてもとても <本気> でないと出来ません。   わたしはお寺に生まれていなかったら、果たしてみなさんの様にこうしてこの場にいたでしょうか?
           愧じ入り、頭が下がるばかりです。
    ご一緒にお勤め出来ました事、誠に有難うございました。

                     

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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