

一昨日から帰山しております。
京都にて遅れていた表装仕事をしていた朝、ご門徒のおばさんがお亡くなりになったとの電話があり、2時間後には島根めざして走り始めました。
81歳。 走りながら色んな姿が思い出されました。
前総代長の奥様として長年西蓮寺を支えて下さいました。
法要・法座の度、朝早くから台所仕事に走り回って頂くお姿。 みんなの話題の中心になり大笑いをされるおばさんではありませんでしたが、いつも静かににこやかにお仕事下さってありました。
『 結婚当時、みなさんが忙しくされている法座の台所で、何をしていいのか どこに何があるのかも分らない私に、いつも声をかけて下さったのはあの方だった。 』
家内から何度となく聞いていました。
『 若奥さん。 これを一緒にやりましょう。 』 と。
一昨日夜、当家にたどり着き、本山から頂かれていた法名を見せていただきました。
< 釋 映 芳 >
はえわたる・さえわたる 芳しき香り ・・・・・ たまたま頂かれた文字の法名かも知れません。 おそらくそうでしょう。 それでも、おばさんのお姿と重なって法名の名をもって教えられている事を感じました。
そのひとにしか歩めない日々を丁寧に歩んでおられる方には、そのひとにしかない <香り> がある事を。
言葉にされなくとも、その <香り> を感じ自らの中に大事な教えと受け止めるひともある事を。
< 香り > は、その場所に留まらず広がっていきます。
ひとが踏み入る事のない山奥にひっそりと咲いた <蘭> の香りは、何里もはなれた旅人のところまで漂い、その存在を心地良さと共に教える・・・という話を思い出します。
お子様方・お孫様方・親族の方々・地域の方々、みなさんに 香りが広がっているでありましょう。
今 午前10時。 午後、葬儀です。
1月11日、帰山。 老母が出した晩御飯、1月3日の夜食べた鍋料理の残り・・。
『 え~・・。 大丈夫か、これ? 』
『 大丈夫。 間でいっぺん火をいれた。 』
『 ・・・・。 』
『 大晦日のもとってあるけど、ありゃあ ダメかねえ。 』
『 ・・・・・・・・・・。 』 出されたからには、完食。 明日の自分は大丈夫かと思いながらも、完食。
今日の朝刊に< フードロス >の記事が出ていましたが、この山寺に< ロス >は見当たりません。
『 もったいない 』がしみ込んでいるのは良いのですが、危険と紙一重の事も・・気のせいでしょうか。
冷凍庫など ≪ 永久保存庫 ≫ と思っているふしがあります。
しかも、そろそろ腐り始めたから冷凍しておこうか・・などと思っているふしもあります。 怖い。
しかし、安心して下さい。 家の者・自分達はそうでも、みなさんにお出しするものは違いますから。
夜が明け、お参りに行って今 帰ってきました。
大丈夫そうです。 山寺、< もったいない暮らし > しています。