一昨日から帰山中。
縁側に座りふと下に目を向けると、20センチばかりの鳥の羽根が。

 なんの鳥でしょう? ここに来ていたのか、風で飛んできたのか。   こんな大きな鳥、境内で見かけませんが・・・。

 あまり見かけないと言えば、昨夕方 庭を横切り裏山に向かう大きな< 蛇 >を見ました。
< 青大将 >でしょう、敷地内で蛇を見かけるのは年に2~3回、珍しい事です。

 思い出した話が。
祖母の四十九日法要だったか一周忌法要だったか、中庭に大きな蛇が。  普通はすぐどこかへ移動するのに、なぜかほとんど動かず。 お勤めが終わった頃やっと何処かへ行ったと思い、親戚のみんなと車で会食に出掛けようとしたら、その蛇 今度は山門に出現!

 『 やっぱりこの蛇、お母さんだわ・・。 』 と言う叔母。
 『 おばあちゃん・・。 』 と見つめるもの。     巳年生まれだったんです、祖母。

 普段は蛇を見ても、まさか○○の生まれ変わりか本人と重ねて見るひとはいないでしょうが、「 法事の日 」という、いつもの日とは違うこちらの心が見方を変えていたんでしょう。
      『 そうか、蛇もお参りに来たんか。 』 という言葉には不思議と頷けてしまいました。

 わたしなんか < 丑年 > ですから、法事の日には境内に牛が出現し、姉の日にはイノシシが現れ、弟の日には馬が走りまわり、父の日にはウサギが飛びまわり( あら、カワイイ )、酉年のひとの日には鳥が・・・・・アっ!  これか?!?

 一軒のお参りの帰り、お昼まえ。   通りかかった路上販売のお弁当屋さんに寄りました。
≪ お弁当・味噌汁つき 500円 ≫ の ノボリ旗。

 500円・・・いつもは昨夜の残りか、パックのうどんかラーメンで済ます私にとっては 贅沢なお昼ご飯です。   『 なにを言う住職。 アルコール分をまわせばいいだけだろう! 』
     と言う声が聞こえてきますが・・・ああ、耳がイタイ。

 それは置いといて。
 三か月に一回位しか立ち寄らないので、馴染みでも何でもないのですが、たまに通る時チラリと見て通っていました。  雨の日も風の日も暑い日も寒い日も、お若い( たぶん )女性が立っておられました。    花粉症なのか大きなマスクをして、朝が忙しいのでしょうノーメイクで( 住職・・よく見てますね ) 今日も立っておられます。

 『 いらっしゃいませ。 今日は焼き肉弁当と、焼き魚弁当と・・( 略 )。 』
 『 じゃ、焼き魚弁当を。 』
 『 ありがとうございます。 ご飯は大盛りですか? 』
 『 いえ、普通で。 』
 『 お味噌汁はお湯を入れておきますか? 』 ( カップに生味噌タイプが )
 『 いえ、そのままでいいです。 』
 『 ありがとうございます、500円です。 それから、今度 隣のビルの一階の隅に店舗場所が変 わります。 これからもよろしくお願いいたします。 』
 『 ああ、そうですか。 へ~、はい 500円。 
   ・・・・それは今まで暑い日、寒い日ご苦労さまでした。 』 
         と、何気なく言ってお弁当を持ってバイクに向かうと、後ろから大きな声が。

 何気ない会話・・。大抵、こういう返事が返ってくるだろうなと思っていて、そう返ってきてその場が何気なく終わります。  今日の場合、『 ありがとうございます。 』 くらいを思っていました。 いや、別に何にもお返事なくてもいいくらい気にとめない言葉だったんです。

 『 まあ~! 何て言葉を言って下さるんでしょう! 
       目がウルウルしてきそうです・・・。 』

    坊主、予想していなかった反応に少々ビックリしてしまいました。
 『 ・・・ああ、はい・・。 じゃあ・・・。 』
           今にして思えば、何とも情けない私の反応。

 バイクの籠で揺れているお弁当を見ながら、色々思いました。
あの方、私が思っている以上に ホントにホントに 暑い日寒い日雨の日、大変だったんだろうなあ。     路上で始めて何年もたって やっとひとつ願いが叶えられたんだろうなあ。    

  そのうち、なにやら非常に嬉しくなってきました。  あんな言葉に大きく喜んで頂いて・・それをビックリするくらい素敵な言葉で伝え下さり!

        なぜかよく解りませんが嬉しくなってきてしまい、
             お弁当が美味しく美味しくなっていました。

   額装作品の右上部の汚れを落とせるか、と。
 雨か何か、水分がしみ込みカビが生えている様な・・。 せっかくの < 舞妓はん > が・・いや < 芸子はん > か?  分かれ目をよく知りませんが。

 さる日本画の大家の娘さんが描かれたものだそうです。  なんとか綺麗になりましたので、裂地も変えてみました。 紺の時より、優しくなられたような・・・。     いや、本人の目を見ると 気に入らないのか・・? 怒ってます?

   紺の服が良かったですか?   怒っていませんよねえ?

 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

Copyright © 2010 Sairen-Ji Temple. All rights reserved.