新年、阿修羅像。

新しい年を迎えました。大きく揺れ動いた昨年であったからこそ今年、穏やかな年である事を願います。
年賀状に「阿修羅」の姿を描きました。 
阿修羅像で有名なのは奈良・興福寺の阿修羅像。三つの顔・六本の手という不思議な姿、正面の顔は少年が何か深く悩んでいるように眉をひそめています。お寺を出て美術館に立たれると一目を求めて長蛇の列が出来る人気ある像です。 

説によれば、仏法を守る「帝釈天」軍と戦い続けている三面六臂の「阿修羅」一族。その王、阿修羅王。あまりに永く戦い続けている為に一体何が原因でこの戦いが始まったのか分からなくなっている苦悩をあらわしているのが、興福寺の阿修羅像の表情と。 

仏法で説かれる六つの迷いの世界「六道」のひとつの『修羅』でもあります。
争いに明け暮れる世界。自分の思い通りにならない事ばかり。何もかも気に入らない事ばかり。何が原因か知らないけど腹が立つ・・・わたしが「修羅」になっている時です。ひとからはきっと修羅に見えています。 

せっかく六本も「手」があるんです、素晴らしい事です。「手はこころ」と以前も書きました。手という文字がつく言葉はそれを「こころ」と置き換えられます。手紙・・こころのこもった紙、手弁当・・誰かを思って作ったお弁当、手伝う・・こころ寄り添わせ一緒に、手助け・手を貸す・手を尽くす・・・・。  そして手を合わす・・こころをひとつに合わせる。 

人と人が出会うのがはばかられる世情。出会いたくても出会えない。
人を疑いの目、裁く目で見てしまう世情。裁かれる、疑われる。

合わせる手、さし伸べる手は 何本でも持っていたいものです。

西蓮寺十七代住職釈知浩   古書画保存修復師

山に囲まれ狸がお参り・・・
そこにあなたも仲間入り・・・
   ようこそ ようこそ。

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