年に2回だけの御軸。

10月29日当山報恩講。この世情の中にあっても細心の注意をもって例年通り勤めさせて頂けた事を皆さまのお蔭と感謝いたします。 
清掃奉仕に始まり、前日には台所世話役方々によりお斎下ごしらえ・餅つき。 当日も早朝より女性7人・男性4人が集まって下さり、あっという間にそれぞれの持ち場に走りついていかれます。
午前9時半始まりの本堂、8時半あたりからボチりボチりとお座りの参拝者。ジッと座っておられたら寒いかと思いストーブに火をつけていましたが日中には必要なくなるくらい良いお天気の日です。    朝のお勤め、そしてご講師・浄蓮寺 早川顕之師の法話。  お斎を頂き午後1時半からお勤め、そして夕方までのご法話。  何百年続く報恩講を今年も皆さまとご一緒に勤めさせて頂きました。途切れさせることなく・・・・。

この報恩講と1月の御正忌の年2回だけ本堂内陣右余間に掛ける≪ 親鸞聖人四幅御絵伝 ≫。 聖人のご一生が一段一段の画で描き出された御軸。もっと古くからのものをお持ちの寺院もありますが、それでも当山の四幅は260年前に本山から受けたもの。それ以前の創建ではありますが、中々願い出て頂き受ける事が難儀だった時代であったことを思います。 この門をくぐって来られた時の皆さんのお喜びは如何ほどだったことでしょう。  御軸の到着を当時は住職はじめ門徒揃って門にならんでお待ち受けしていたものだ・・とのお話を聞いたことがあります。 

以来、260年毎年報恩講には懸念してみ教え伝えて下さった聖人を偲び感謝のお勤めをさせて頂いている・・・そう思いながらこの度も紐解き掛けさせて頂きました。  
そして、次の日には昨日のお座を思い出しながらひとりの本堂で、軸を下ろし巻き桐箱に仕舞い納めます。

次にこの箱を開けるのは来年1月と⒑月です。

西蓮寺十七代住職釈知浩   古書画保存修復師

山に囲まれ狸がお参り・・・
そこにあなたも仲間入り・・・
   ようこそ ようこそ。

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