三蜜さけて自宅にて。

新型コロナウイルス感染終息が見えない為、5月連休明けまでだった緊急事態宣言が五月末日まで延長されました。このことを受け西蓮寺で予定していた5月21日の降誕会法座(兼永代経)の中止を決め、有縁の皆さまにその旨を封書にて連絡いたしました。以前新聞等で話題になっていた「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休校しているイタリア・ミラノの高校の校長先生が学校のホームページ上で生徒に向けて書いたメッセージ」とそれに対する私の思いを書き添えて。

ひとと出会うことが自粛という名で制限されて長く日にちが経っています。
どのお寺さんもその様ですが私も法事・お参り事が延期・中止され、ひとに出会って受けている表装のお仕事も無くなり・・・さびしいですね。
そんな中思い立ったのが、「本願寺手帳カバー制作」。ここ住職あれこれ上の(2017・12・8)に書き込んでいますが、浄土真宗本願寺派で得度したものに毎年年末に送って頂く次年度手帳。 ビニールカバーがついている中の紙表紙を抜き取って、 表装用裂地を入れてここ毎年自分だけのオリジナル品という愛着心持って使っております。一昨年のはこれ、 昨年のはこれ、 今年のはこれ、 正倉院などにある昔の裂地の復元織です、今年のは。カッコイイ!・・・でしょ? 

で、それをあるお方によろしかったらとプレゼントしたところ大変喜んで頂いたらしく、「知人にもあげたいが作ってくれるか」との嬉しいお言葉。「一枚、いくら?」と。
「お代はいりません。どうしても端切れが出てくるもので、軸・額等に使用出来ないくらいの端切れでも勿体ないと取っておいたものを使っていますので。売りはしませんが、プレゼントはします。ただ、時間がかかるので何時になるかわかりませんが。」と。

今でしょ! というわけで一念発起。取っておいた端切れ入れをひっくり返し、とりあえず20枚を目指して作業開始。 腰が痛くなるくらいコンをつめても一日5枚、考える時間が結構あるもので。
それでもやり始めると、面白くなってきて楽しくなってきて。無心で作業するはずもなく、心コロコロ。数枚並べたらどれを選ばれるだろう・・・これを選ぶひとはどんなひとだろう・・・・この裂地はひとつ女性用として考えてみよう・・・これを選ぶひとは中々のお目が高い人だ・・・そうだ、あのひとにもプレゼントしようか・・・要らないと言われはしないか、まさかそんな・・・いや、第一手帳を使っておられるか・・・趣味の押し売りはいやらしい・・・プレゼントなどといってかえって気をつかわれるのでは・・・めくりめくってみると、実は見返りを期待している坊主がここにいるのではないか・・・いや、そんな・・・ああ、布施ってムツカシイ・・・。       楽しいもんです。

で。かなり作ったので記録写真撮りました。 いきますよ~!
斜めラインが素敵でしょ。むら染め風裂地。和服に合う女性バッグのよう。ライン切り替えしがシャープ。切り返しまくり。これは時間かかった。。鬼絓裂、今はもう織られなく・・。 どど~ん! どひゃ~ん! 実はまだまだあるんですがね。 どんだけひまだったんですか (笑)

フォトギャラリーに入れればよかったんですね、今気づきました。
何にせよ、ひょっとしたらゴミとしてビニール袋に入れられて焼かれていた君たちがこうして新しいいのちを吹き込まれてここに輝き出でた事を、まぶしく見つめます。
この事の縁になって下さった方々に深く御礼の思いもちつつ、旅立つ日を楽しみに。

西蓮寺十七代住職釈知浩   古書画保存修復師

山に囲まれ狸がお参り・・・
そこにあなたも仲間入り・・・
   ようこそ ようこそ。

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