ご縁をよろこびとするひと、しないひと。

はや9月。西蓮寺では7月の安居会・8月のお盆ということで、相変わらず一か月に京都島根を4往復しておりました。島根ではお参りお勤め、京都ではお参りそして表装仕事。
今預かっているものに、とある尼門跡様の長年にわたり和歌をしたためられた短冊300枚があります。これを季節・テーマに分けて6冊の折本短冊帖にまとめるというもの。
これが中々に大変な作業で、 まず短冊に霧を吹いて裏の紙を全て剝がしてから  新しく裏打ちして  仮り張り板に張り込み乾燥。 はずして刃物で四辺を直線断ち。 台紙となる折本に張り込んでいくという作業。   あまりの数に・・・70数歳から10年間の間に詠まれたものでしょうが、、、。

表具も専門職人の分業世界。掛軸にしても表具裂地を織るひと、和紙を漉くひと軸先を彫るひと金具を打ちだすひと紐を作るひと。この度は折本を専門に扱っておられるところを探しました、今までにお付き合いの材料屋さんでなく、より専門のお店とじっくりお話したかったもので。 今の時代です、インターネットで数軒調べてここに行って相談してみよう!と、昨日いきなりの電話を今日のお時間を頂き訪ねて参りました。 飛び込みですね。

卸売専門で本来小売りはされていないご様子なので昨日の突然の電話では、何とか会って頂く時間つくっていただいたのが精いっぱい、さてどのようにこちらの意図を伝えようか、はたしてあっさり断られるんじゃなかろうか・・と不安ながら事務所のドアを。人間、「会う」というのは有難くも大事と改めて実感したのは担当の方の電話口以上にあたたかなご対応。細かい希望に丁寧に耳を傾けていただきます。 

ひとしきり相談していると奥から「ご挨拶いたします」と女性が。名刺頂くと社長さま。「5分ばかり同席させて頂きたく思いますが、よろしいでしょうか。」
もちろん喜んで、と申してサンプルに持参した短冊を。 「この歌は何方が?」実はこれこれこうで。お寺から頂くお仕事が多いんです。 「はああ、そうですか。」 余談ながらわたしも僧籍ありまして浄土真宗本願寺派、西本願寺の僧侶なんですよ。 「え! まあビックリ。わたしも真宗なんです。仏光寺派ですが。」 そうですかそうですか。仏光寺派のお寺さまにもお知り合いがあります、本山前の大善院とか。 「 え! わたしそこの門徒です! まあまあ。 」 え!佐々木ご住職のところですよ。 あそこの <お寺ハウス> で表装個展させて頂いたことあります。 [ 2011・10 住職あれこれ 参照 ] ご住職も坊守さまもホントあったかい方で、色んな活動されてますよねえ。 わたしはお寺、島根なんです。島根のお寺の住職なんです。  「え! またまたビックリ。なんてご縁。じつは・・云々・・。」 は~こんなこともあるんですねえ。 いや、ホームページで石州半紙がちらりと写っていましたが、あの町なんです。久保田さんとか西田さんが漉いておられる・・。  「 え! 西田さん。あそことはうちは・・云々・。」 え! とすると・・云々・・。

「 こんな事ってあるんですねえ、ご縁。 わたし出てこようとは思っていなかったんですが、何かに押されるように出てきてしまったんです。 スミマセン、打ち合わせお邪魔しました、引っ込みます。 ホント ご縁です。 これからもよろしくお願いいたします。」

こちらこそ、よろしくお願いいたします。 

ひとはどこでどう繋がっているか分からないものです。そうです、そういうことに出会って驚いてそういいます。今回も久々に驚きました。 
目を閉じて思うに、どこでどう繋がっているか・・というより繋がりがわたしのこの目に見えて把握出来ていないだけで、もともとしっかりしっかり繋がり続けてあるのでしょう。  それがたまに言葉を通して目に見えてビックリさせられるんでしょう。  もともと、あるんですよ。  ね。

今日今回は何より、「 ご縁ですねえ。」って驚くほど喜んでくださった姿が立ち上がりたくなるほど嬉しかったです、わたしは。   わたしもそうあろう・・って思いながら帰路につきました。  ありがとうございました!

住職釈知浩 (栗山知浩)

平成14年・西蓮寺十七世住職継職
古書画保存修復表具師でもあり、島根と京都行ったり来たり。

山に囲まれた小さなお寺。
たまに人が集まり、タヌキも集まり…
あなたもそこに仲間入り、ようこそ。

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