わたしは忘れても、わたしを忘れないお方。

昨年だったか一昨年だったか、彼が来宅して一枚の画を置いていきました。
表装してくれとも言わず『 こんなの描きました。 』とだけ言って帰りました。なもので、丸めて置いて( 大事に丸めて )あった事さえ忘れていましたが、先日探し物をしていて見つけました。   しばらく眺めていましたが、置いていかれた日にはさほどに思わなかった面白さがふつふつとわいてきまして。  「 そろそろやってみようか・・・・頼まれてもいないけど・・。 」と。

韓国の寺院のご本尊仏さまは日本の仏さまよりお顔が大きい。それは赤ん坊の身体と頭のバランスに近くて、それはお参りする方に親しんでもらう為に次第にそうなりました。と、彼がいつか言っていました。この画を持ってくるずっと以前にです。 
それを思ってでないにしても、実にいいお姿。実にいいお顔。そしてさすが箔の専門、綺麗な箔づかい、見事です。 柿渋も使っていますでしょうか、裏打ちに少々難儀しました。

そして、こんな感じにしてみました。   名が大きく書いてあります、《 金 珉 》と。
大きすぎないかい?  いいのかい?  

ま、頼まれてもいないんで。

・・・・取りに来ないとしばらくウチで掛けるぞ!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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