眠れぬ夜をこえて。

実に久しぶりの書き込みです。  ひとつには、パソコンの調子が悪く漢字変換するたびにフリーズしてしまうという、恐ろしい病にかかっていました。   何とかいたしました。  祝!回復!   

このところ表装で頭を悩ませていた仕事がありました。 それは15mの巻子仕立て絵巻を額装にして、大阪の寺院の納骨堂壁面に設置するという大仕事。15m・・・長い長い超大作。 日本画家・畠中光亨氏が描かれた『 仏跡巡礼絵巻 』。
インド方面から砂漠を渡り長い長い光景が繊細に描かれてあります。  如何にしてしっかりしたものに仕上げるか、額装の師匠である堀田さんに相談しながらの作業。 先ずつながれてある170cm×45cm・9枚の画を外して9面の額にして並べる事とし。
さて大変です。かなり大きな土台9枚を骨から作り下張りを重ね重ね・・随分時間がかかる作業。そして金箔を張ったものにするとのご依頼の縁の心配。 アクリルを入れるのですが、暑い時期には0、03%のびるものが連なるとかなりの事に・・その対策。 絵巻ですから連なって見えなくては意味がないので縦の縁は無いものにしなくてはなりませんが、さて如何にして・・。 その強度は・・。 重量に耐える額受け金具が打ち付けられるように、施工会社とも相談を重ね・・。 

何といっても不安だったのは、現場に行き何度も何度も測り計算したのですが、果たして計算通り設置出来るかという事でした。 計算では正面にきっかり7枚の額が並べられるはず、その余裕僅か3cmしかない・・。  
これも奇跡的なことです。 画を途中で切ることなく、つながれてある個所を外して額にして並べようとしたら、何と壁面ほぼピッチリ。  驚きですが、果たしてホントか?  やってみたら僅かに1cm長くて入りません・・なんて事はないか・・。

夜中に目が覚めあれこれ考え眠れなくなったり、気になっているんでしょう、朝早く目が覚めてしまったりしていました。

そして昨日。 師匠の堀田さんと助っ人に頼んだ弟の淳之と3人で早朝からいざ設置。 

いきました!  上手くいきました!  完璧です。 計算通り、いやそれ以上の出来です。 

ご依頼の老僧にも見ていただき、お喜びのお言葉を頂きました。恐縮です。 
堀田師匠に淳之、ありがとうございました。    祝杯ものです。   ゆっくり 心痛なく眠れます。   いい勉強をさせていただきました。  ご老僧、ありがとうございました。

西蓮寺十七代住職釈知浩   古書画保存修復師

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