姿で伝える。

ここのところ表装の仕事についてあまり書き込んでいない様におもいますが・・・。
『 安心して下さい。 やってますよ。 』 

とあるお寺の開基本尊絵像軸。  掛ける状態でなくとも、巻いて代々大事にされてあったところ、この度修復を思い立たれました。   かなり時代の古き如来像、かなりの傷みです。  修復を進めて行くと、過去2回は修復された痕跡が見えます。 それでもここまで傷んでしまった訳です。 以前の修復の時すでに欠落部分があり、裏打ち紙に補色された痕もあります。  少しずつ作業を勧めます。  まだまだ途中ですが、折れ傷みを直すところまでは来ました。  古き時代 の特徴あるお顔・衣。 

以前修復した本尊のお顔・衣と比べて見ると、同じ本山本願寺から頂かれたにしても、年代によりお姿に色々な特徴があるのが分かります。  絵師が違えば当然の事でしょう。 

お顔・衣に少々の ( いや、かなりの ) 違いがあれど、そのお姿が現わそうとされているおこころに、一切の違いはありません。    

それにしてもこの度のご本尊、よくぞ保管されていた事です。     本山からはるばるやって来られたご本尊、それを待ち受けておられた当時のみなさんの歓びの様子に思いをはせつつ・・・・・修復作業を進めさせて頂きます。   
称名

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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