永代経・・・糸。

『 糸 』、中島みゆきさん作詞作曲の唄( 1998年 )。  
メロディーはもちろんその詩の魅力から、jujuさん・福山雅治さんなど20人以上の方がカバーして唄っておられます。

《 縦の糸はあなた 横の糸はわたし 紡いだ布はいつか 誰かを暖めうるかも知れない 》 

< お経 > も縦糸と教わりました。     布を織り上げる時、まず必ず張るのが 縦糸。 これがしっかりしていなければ、いくら横糸を懸命に流し紡いでも バラバラになってしまう。   釈尊が説かれたお話は、時代がいかに変わろうと国が違おうと生きるもの全てのいのちにとって大事な教え、まさしく< 縦糸 >だ。 そう受け止められたお弟子方が < スートラ >=縦糸=『 経 』( 緯度経度というように経は縦の線 ) と名付けて、全てのいのちにこの教えが届く様にとの願いをもって、長い年月をかけて編纂されました。

生まれてから一日一日色んな方と出遇います。 色んな出来事と出遇います。 うれしい事もあれば、つらい事・悲しい事・悔しい事とさえ。 そして、色々なことを考えさせられます。  出遇いも受け止めも そのひとつひとつが横糸です。         長ければいいと言うわけではありませんが、幸いに長く生きさせてもらえば、長い織り物が出来上がっているでしょう。     その織り物を見せて頂きます。    

『 ああ、こんな風に織っておられるんだ。 』  『 こういう歩みもあったのか。 』 『 こんな事を言っておられた。 あんな姿も見せてもらっていた。 』  その織り物を見せて頂いて、なるほど と頷かせて頂く事は、そのひとの歩みが わたしの次の横糸の「 料 」となり、わたしのいのちに組み込まれ融け合う事です。    いのちを頂く・・ひとり生まれてひとり死んでいくという小さないのちではなく、すでに数限りないいのちが私の上にはたらいてある事を 気付かされる時でもあります。      これから出会うひとの いのち・ 出会ってあるのに気付いていない いのち・ 亡き人のいのちまで、わたしの中に融け合ってあります。  

数限りないいのち=< 無量壽 > といいます。 無量壽=< 阿弥陀 >といいます。

さて、わたしの布はさしづめ節糸ザックリ無地、といったところでしょうか。  どこかに錦を飾る事など無く、失敗だらけのゴツゴツした木綿の糸でザックリと。  しかし、『 それでも織っていけるぞ 』 『 案外味のあるものにもなるぞ 』 と色んな方が教えて下さいました。 実はケッコウ気に入ってるんです。        勉強にならなくても、それこそ 誰かを暖められたらいいのですが。

4月8日、西蓮寺 永代経法要。  ご参拝のみなさまと法縁の一日をご一緒させていただきました。    この大事な教え( 縦糸=経 )が、永く広く( 永代 )伝わらん事を。
ご講師は、益田・川本義昭師 ( 西楽寺 )  。
お昼の時間、ながく総代長を勤めて頂き、先ごろ退任されました前総代長・渡邉義弘さまへの感謝状 並 記念品の授与式を執り行いました。    深く感謝いたすところ、そして、どうか御身体をお大事に まだまだ色んなお話をお聞かせください。  まだまだ助けて頂く事ばかりです。   

よろしく お願いいたします!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

Copyright © 2010 Sairen-Ji Temple. All rights reserved.