両手を広げても届かない軸。

 『 仏陀塔 』 との裏書きがある大きな掛け軸。
   画の中心に描かれてある赤い城が仏陀塔でしょう。 遠くにはヒマラヤのような山々、小さくラクダ商隊。 

 塔を挟むふたつの河には、各国の船とさまざまな民族の賑わい。   『 涅槃図 』 にさまざまな動物がお釈迦さまの涅槃を悲しんで集まって描かれてあるのは、説かれた教えが人間の為だけでなく < 全てのいのち > の為にある事をあらわしてあります。   その事と思いを重ねてこの画を見ました。 職種も肌の色もおそらく言葉も違う実に沢山の人々が集う中心に仏法の象徴が。

 縦も横も2メートルもある実に大作ですが、随分傷んでいて修復です。 
京都で作業を進めて、17日から島根・西蓮寺の本堂で作業。 また京都に持ち帰りますが・・・・。

    まだまだ時間がかかりそうです。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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