知ってます?『 瓢鮎図 』。

 中学校の美術の教科書か社会の教科書の載っていたのか、見た憶えはあります。
『 瓢鮎図 』 ( ひょうねんず )。
≪ ひょうたんなまず ≫という言葉も耳奥にあります。
   しかし、どういう画か? 何を意味しているのか知りませんでした。    恥ずかしながら。

  先日、芳澤勝弘先生にお会いした折サイン入りのご著書を頂き、読んでみて はじめて知る事ばかりに・・・・。

 だいいち、「なまず」の画を見ていながら 「鮎」の文字に何の疑問も持っていなかったウカツさ。  呆れます。
中国では「鮎」は「なまず」の事で、「鯰」と同じなんだそうです。  知ってました?

 この画は室町四代将軍・足利義持が如拙 (じょせつ) に描かせた画で、如拙はあの 「雪舟」 の師匠の師匠で。         しかもこの画の上部にはオビタダシイ 『 画賛 』 が書き込まれていて、それは当時の禅僧達のこの画に対しての問答であり・・・・・・。     まあ~、知らない事ばかり。  花園大学教授で禅学・禅宗史専門、禅林画賛解明のエキスパートの先生がこの31人もの禅僧方の難解な詩文を詳しく解説されてあります。
 どうやら日本の禅の書のみならず、中国禅の論・書、史記にいたるまでの知識がないと 読めないようです。
31人の禅僧方はその知識を持って、文字を選び喩えを使っておられるようで・・・・オソロシイ。

 つかみどころの無いヌルヌルの鯰を つるつるの瓢箪で押さえようとする画。 ≪ こころ で こころ を押さえよう ≫ とする事をあらわしてあるんでしょうか?   か?  どちらも捉えようがないですねえ。   捉えた!と思った瞬間 ヌルリっと 逃げて行く。

 ササ~っと読ませて頂いただけでは理解できるはずのない私ですが、又 お会いできた時には、何らかのキチンとしたご質問を先生に致したく。
        愉快 で 痛快 で 豪快な先生なんです。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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