大変ながらも楽しいってあるもんで。

 『 数えてみたら、100枚はありましたよ。 』
          『 ひ・・100枚!? 』

京都・北区の順照寺。 以前からお世話になっているお寺さま。
数年に一度 ≪ 障子張替え ≫ を依頼されておりますが、その度に 
   『 やりますけど、剥がして綺麗に拭いておいてくださいね。 張るのはガンバって張りますけど。 』
と我がままを言っております。  なにせ数が多いので、一日で済まそうとモクロム私は・・。

 前回は60枚位だったと思い、『 朝いちからやれば、午後9時位に終わるかな・・ 』と思いながら行ってみれば、
100枚!! ・・・立ちくらみ・・。
しかし、これだけの量 家族総出で綺麗にされたんだから・・と思い、早速紙取りをはじめましたが、すぐに気づきました。        『 紙が足りるはずがない・・・60M巻きでは到底足りない。  どうする? 』

 作業しながらあれこれ思案し、無理を押してでもこれしかない! ・・と、なじみの表具材料屋に電話。
『 紙ください! すぐ持ってきて。 今日?  だから すぐ!』
    『 いや、伏見じゃなくて北区のお寺。 えっ、時間がない? 場所が・・ナビがない? あ~もう、頼みますよ!  事件は現場で起きてるんだ! 』

 忙しさに気がせき、何言ってるか分らないのに、偉いもんです。 2時間後には届けて下さいました。
     ホントにありがとう。

それにしても、このままでは今日中には終わらない。  明日は自宅で作業しないと明後日からは島根・・。
  朝までやっても終わらんだろうし・・・・。 と思っていたら なんと午後から ≪ 助っ人 ≫が。

 『 この子ら、なんか手伝うことあるかな? 』   『 ありますあります。 紙取り。 』  住職の次男の< ノリ君 >・その友人の< チヒロくん >に< タカくん >。 それぞれ折角の休日なのに、晩御飯も後回しにして 10時半まで大汗かいて手伝ってくれました。      時間が経つうちにドンドン上手になっていきます。

 『 いや~ホントに助かるよお。  どんどん上手くなってくるねえ。 』
    『 いえいえ、まだまだです。 師匠の速さには敵いません! 』   ・・・『 師匠・・ははは。 』
 夜にはお参りを終えた住職も手伝いに出て下さり、10時半をもって終了。
 朝は、まさか今日中に終えられるとは思いませんでした。

ホントにホントに 君達のお蔭です。  3人揃って伏見に来てくれたら一杯奢るっていうのは、冗談ではないんで来てね。    苦労話でやりましょう!      
                           気持ちのいい出会いでした、ありがとう!

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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