助けを呼ぶ声が。

 早朝。 今日も暑いけど、綺麗な空だな・・とベランダに出たところ、電話の音。   

 『 ああ、栗山さん? 今 京都? よかったあ~! 助けておくれ。 』   『 ・・はい? 』

 以前から表装でお世話になっている京都市内のお寺さん。
朝、本堂でお勤めしていたところ、内陣の ≪ 蓮如上人 ≫御影軸が バッサ~・・と落ちてきたと。
伸びきった古い紐が切れたのですが、永年掛けっぱなしで乾燥しきっていたので ( どこのお寺もそうですが ) 落ちて パリパリに割れてしまって、巻くことも出来ない・・・・・で、助けのお声がけを頂いたわけです。
         すぐさま参りました。
   タンカで運ぶように車に乗せ、そろ~と持ち帰り、早速 全面修複開始。 < 弘化3年 > とあります。 一度も修複されておらず、おそらく 169年間ずっと掛けられていたのでしょう。  絹本本紙も裂地部分も すっかり粘り気なくサクサクで、触る度に割れていきます。 ・・・恐ろしい。

 本紙を切り外し、敷紙に裏向けに寝かし、霧を吹きます。    ・・・もう、大丈夫。 
    少々動かしても大丈夫です。   さて、裏打ち紙の除去開始。
   裏書きも大事です。  新しい和紙を貼りたたき込み 仮張り板へ。  このまま数日様子をみましょう。 
                  

 いつの間にかもう夕方。   汗を拭き拭き イップクしにベランダに出ると、『 おお! 』 。

      瓦職人のオジサンではないですか。    『 アッついですね~! 』                

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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