
旅立つ、我が子。
以前ここでも紹介させて頂き修復を手掛けてきた 『 六字名号 』軸。 修復完了いたしました。 かなり折れ痛みがあり、このたび以前に修復された表具師の大変なご苦労の跡も見せて頂きました。 そして こうなりました。
外廻しは、正絹でもフックラとした復元織。 中廻しは、私の好きな青貝裂。 ( 銀箔を青みが出るまで焼いて、押して裁断して糸にして織リあげた裂。 金欄とは違い、貝の裏の様なにぶい光沢がとても美しいです。 ・・・少々高価ですが・・。 )
新しい作品を表装する楽しみとまた違う楽しみが、古い書画の修復にはあります。
霧を拭いて裏打ち紙を剥がすうちに、先程言いました 100年も前の表具師の仕事を見せて貰えますし、依頼された方の 『 わたしにとってはこれが大事だ 』 という思いにも出会えます。
そして、仕事しながら真近で見つめ続け 書かれ描かれた今は出会えない方と出逢え、最後お渡しする時、ご依頼者の笑顔にも出会えます。 送って届けるのではなく、手渡しでお届けしたく・・常々 思っております。