
『 直りますか?』 と。
折れ痛みの激しい掛け軸の本紙。
裏打ち紙を全て除去し、描かれた一枚の状態まで戻し、新しい和紙で裏打ちします。 しかし・・・。
そのまま軸に仕立てると、何十回・何百回と巻き下しを繰り返すうちに 必ず同じ折れ痛みのシワシワになってしまいます。 そこが一度弱っているんですから。 そこで。 ひっくり返してこの様に以前の≪ 折れ ≫がある個所に
細い和紙で補強を施します。 こんなふうにですね。 薄い紙ですが、その厚みが≪ 折れ ≫を防ぎます。 大事な作業ですが、少々面倒でもあり・・。 100本 折れていたら、100本入れます。
入れ終えました。 なかなか手ごたえある本紙でした。
こうして さらに修復は続きます。 シワとシミと戦う仕事です。
家内も、シワとシミと戦っています。 糊も刷毛も使わずに・・。