『 直りますか?』 と。

  折れ痛みの激しい掛け軸の本紙。
裏打ち紙を全て除去し、描かれた一枚の状態まで戻し、新しい和紙で裏打ちします。 しかし・・・。

そのまま軸に仕立てると、何十回・何百回と巻き下しを繰り返すうちに 必ず同じ折れ痛みのシワシワになってしまいます。  そこが一度弱っているんですから。     そこで。

 ひっくり返してこの様に以前の≪ 折れ ≫がある個所に
細い和紙で補強を施します。
 こんなふうにですね。  薄い紙ですが、その厚みが≪ 折れ ≫を防ぎます。   大事な作業ですが、少々面倒でもあり・・。   100本 折れていたら、100本入れます。
 入れ終えました。  なかなか手ごたえある本紙でした。
こうして さらに修復は続きます。 シワとシミと戦う仕事です。

 家内も、シワとシミと戦っています。 糊も刷毛も使わずに・・。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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