『 おお、俺もやで。 』

 降りしきる雨の中、父・前住の三回会法要が始まりました。
ご案内は出したものの、どれだけの方がお参り下さるか・・・と家族で心配しながらの朝でありました。  なんと、本堂に 70人近くの方々。  山奥の小寺・西蓮寺にとっては 満堂です。  

 父が大事にしていた この本堂で 一日かけて、客僧・弟・私の三人の法話を繋ぐ <法座> のかたちをとって 父の法要とします。 聴聞する事が 最も父の法要になるとの思いから、ご案内状に そう書きました。

 この山奥の寺でジミチにお参りし みなさまとのふれ合いを大事に お寺を守り、田んぼ・養蚕・出稼ぎしながら・・ 何度も大病に会いながらも ジミチに ジミチに 丁寧に生き抜いた父でした。  姿が見えなくなって丸2年経っても これだけの方々が・・・そして お勤め <正信偈>の大音声。  身体が震えるほど響き渡りました。   通夜の夜の時も 大阪の義観おじが 言っておりました。  『・・ いやあ~・・・今晩のお勤めには 感動した。   あんなに沢山の人が あんなに大きな声で あんなに正確に綺麗に揃って・・・。  兄さんの長い間の教化の深さを感じて 涙が出て 止まらんかったで・・。 』

 あの夜を超えていましたよ、おじさん!

 そして、弟のご法話を聞かせて頂きながら 『 親父は こんな思いで 俺の話を聞いてくれてたんだろうなあ 』 と。
                  その父に会えました。

 台所や会場本堂で 汗かきながら大勢の方にお手伝い頂きました、それも にこやかに。

 一夜明け、片づけに大騒ぎし 長岡京の冴子おばと 家内を乗せて 今、弟が帰って行きました。

     『 大満足じゃったで、この法事! 』   の 言葉を残し。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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